
河野太郎デジタル相の売り物「突破力」が裏目に出たか、この拙速ぶり(写真:毎日新聞社/アフロ)
「今年4月、マイナ保険証によるオンライン資格確認が原則義務化されたので、カードリーダーを導入しました。しかし、当院ではマイナ保険証の利用者の3割に、入力情報の誤りなどがありました。業務に支障が出るので、医院スタッフも『もう、いいかげんにしてほしい』とぼやいています」
こうあきれるのは、北原医院(大阪府)院長の井上美佐さんだ。
6月2日、24年秋に従来の保険証を廃止するなどとした、改正マイナンバー法が、参議院で賛成多数で成立した。政府はマイナンバーカードに保険証機能を紐づけたマイナ保険証に一本化することを、急ピッチで進めている。
だが、保険証機能を申請していないのに、勝手にマイナンバーカードに紐づけられたり、他人の診察歴や薬歴が閲覧できてしまったり、誤登録によって「該当資格なし」となってしまったり、信じがたいトラブルが続出している。
全国保険医団体連合会の会長・住江憲勇さんが憤る。
「保険料を支払っているのに、保険資格なしとされ、医療費が10割負担となるケースが、私たちの調査では、6月2日時点で545件も報告されています。