千葉県大量発生のキョン…「害獣=ジビエ」は日本の食料自給率アップの未来!?
(写真:伊吹京一/PIXTA)
特定外来生物キョンの大量繁殖が止まらない。千葉県によると、キョンの県内推定生息数は2006年度には中央値で9,194頭であったが、2019年度には約4万4,000頭まで増加。2022年には約7万1,500頭と爆発的に増えている。
「私の実家は海が近くて民家が多い町なんですが、キョンはもうフツーに野外で出くわしますよ。野良猫と同じくらいの頻度で!」
千葉県在住の50代の主婦がこう話す。
キョンは小型のシカ科で、中型犬と同じくらいの大きさの動物だ。
本来は中国南部や台湾に生息し、日本には生息していなかったが、いつしか国内に持ち込まれ、60~80年代に野外に定着したと考えられているという。
そのキョンは、環境省が「生態系に被害をおよぼすおそれのある特定外来生物」に指定しており、「野外に定着した個体の根絶を目指した防除が必要」なのだが、国内では千葉県房総半島や東京都の伊豆大島などで繁殖してしまっている。
「キョンは早ければ生後半年程度で妊娠し、一頭のメスが一頭の子を産むとされています。千葉県にキョンが定着して以来、生息数は増え続け、県によれば、県中南部の17市町で繁殖が確認されているんです」