春から「賞味期限」が“より長く”!? 安全面は大丈夫?短くなる食品も…有識者が解説

(写真:アフロイメージマート)
日本の家庭から出される食品廃棄量は年間約236万トン。’16年をピークに廃棄量は減ってこそいるものの、依然として“食品ロス大国”といわれているのが現状だ。
今年2月、消費者庁は食品ロス削減のため、食品に表示される「消費期限」と「賞味期限」について、企業に必要以上に短く設定しないよう求めるガイドラインの改正案をまとめた。パブリックコメント(意見公募)を経て、まもなく正式に発表される見通し。改正により、たとえばレトルトパウチ食品の場合、賞味期限が最大で約25%延びる可能性がある。現行で約1年のものが、改正後は約1年3カ月になる見込みだ。
賞味期限は、かなりのゆとりをもって設定されているのだろうか。ガイドライン見直し検討会のメンバーである日本女子大学家政学部の小林富雄教授に詳しく聞いた。
「これまで、食品の賞味期限や消費期限は、科学的根拠に基づいて得られた期限に、安全のための係数をかけて、より短い期限が設定されていました。多くの企業はこの係数を0.8、もしくはそれ以下に設定していることもあります。たとえば賞味期限が6カ月の場合、0.8をかけた4.8カ月が売場で表示される賞味期限となります。
これにより、本来6カ月食べられる食品も、4.8カ月を過ぎれば廃棄されてしまうことに。今回の改正案では、この係数を商品ごとに見直し、できるだけ“1”に近づけて賞味期限を延ばそうとしています」(小林さん、以下同)
では、具体的にどのような特徴をもった商品の消費・賞味期限が延びるのだろうか。
「缶詰や冷凍食品など保存性の高い食品の一部は、賞味期限は延びる可能性があります。すでに係数を1に近づけている企業も出てきています」
賞味期限の延長により食品ロスが減ることはメリットだが、消費者としては安全面が気になる。
「改正案は賞味期限を無理に延ばすものではありません。
安全に食品を食べることを最優先に、食品ロスを削減するためのものです。乳製品や食肉加工品など、気温によって細菌が繁殖しやすい食品は、反対に賞味期限が短くなる可能性も。科学的根拠に基づいた安全性の確保についても改正案には盛り込まれています」
また、改正にあたって、食品表示に《賞味期限を過ぎてもすぐに食べられなくなるわけではない》という文言の追加が推奨される。「賞味期限から数日たっても安全に食べられますが、持病がある方や免疫機能が落ちているときなどは控える選択肢もあります。今後、賞味期限が切れてからいつまで食べられるかという情報を開示する企業が増えるでしょう。ホームページを確認したり、企業に問い合わせるなど、積極的に情報を取りにいっていただきたいです」
改正案は私たちの家計にもよい影響を及ぼすという。
「食品ロスが減れば、企業にとっては商品の廃棄量削減につながり、食品の価格安定や、値段の引き下げにはたらくことも考えられます」
お財布のためにも環境のためにも、このタイミングで消費期限・賞味期限に改めて注目してみてはいかがだろう――。
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