相続トラブルの8割は遺産額5000万円以下…一般家庭で「未然に防ぐ対処法」

家族のために貯めていてくれた親の遺産が相続できないというのは悲痛だ(写真:Ushico/PIXTA)
相続と聞くとすぐ「私たち庶民には関係ない」と言う人が多い。
「私も以前は相続など人ごとでした。だから知識もなく対策もせずに直面してしまい、大変でした」
そう話すのは『マイナス相続サバイバルガイド』(東洋経済新報社)の著者で、ジャーナリストの永峰英太郎さん。
「母が亡くなったとき、父は認知症で署名もできない状態でした。それを知った銀行は遺産相続に応じてくれず、母がコツコツ貯めた預金の相続にも苦労しました」(永峰さん、以下同)
銀行の相続対応に、預金額の多寡は関係ないのだという。
また、相続トラブルは“お金持ちに限った話”ではない。裁判沙汰になった相続トラブルは、遺産額1千万円以下が33.8%、1千万円超5千万円以下が43.8%。実に約8割が遺産額5千万円以下で起きている。
“争続”は富裕層ではなく、一般家庭で起きることなのだ。
「ただ私が経験した相続問題は、親が元気なうちであれば簡単な手続きで解決できるものばかり。早めに準備すれば怖くありません」
永峰さんが見た、ごく普通の家庭にありがちな相続トラブルとその対処法を聞いた。