「決して泣き寝入りはしない」人気給食レシピYouTuber レシピ不正利用被害を告発、PSTDも訴え…疑惑企業は「法的手続きを行っている最中」と回答
(あおいの給食室in沖縄YouTubeより)
5日、登録者数37万人超えの給食レシピYouTubeチャンネル「あおいの給食室in沖縄」が、動画やホームページを通じてチャンネル終了を発表した。この日公開された動画のタイトルは「レシピの不正流用を発端とした あおいの発病YouTubeチャンネルの終了について」。長年多くのファンに愛されたチャンネルの突然の終了、またその理由に衝撃が広がっている。
《いつも『あおいの給食室』を応援頂き、ありがとうございます。今日はとても残念なお知らせをしなければならなくなりました。レシピの不正流用を発端として、あおいが発病し、YouTubeチャンネルを終了せざるを得なくなった、というご報告です》(「あおいの給食室」公式サイトより抜粋、以下同)
同チャンネルは管理栄養士のあおいが出演していたが、今回は夫のけんたろうが登場し、チャンネル終了に至った経緯と、あおいの近況を説明した。
■商用利用されているレシピは、タイトル、材料、分量まで完全一致
「あおいの給食室」は、保育園の管理栄養士として働いていたあおいが自らの経験を活かし、「子どもが喜ぶ魔法のレシピ」を発信しているYouTubeチャンネル。家庭で保育園の味を再現することに特化しており、動画では、子どもが食べやすい味付けや、食材の切り方、調理の工夫を解説。
単なる料理チャンネルではなく、子どもの「偏食・少食・野菜嫌い」に悩む親たちにとっても、救世主のような存在として知られている。YouTubeやTikTokにとどまらず、アプリやレシピ本の出版、公式サイトでの無料レシピ公開、自園給食の保育施設向けミールキットのプロデュースなどもマルチに活動してきた。
しかし、こうして視聴者親子のために研究してきたレシピが、ほかの給食業者に無断で使用されていた疑いが浮上したのだ。5日の動画では、神奈川県の業者が販売している保育園献立の中に「あおいの給食室レシピ」に酷似したレシピが200件以上見つかり、2年以上、商用利用されていた可能性が非常に高いとけんたろうが説明。
商用利用されていたとされる当該レシピは、神奈川県の給食業者が販売している保育園献立(保育施設向けミールキットのレシピ)。レシピ名、材料、分量が完全一致しているだけでなく、材料の「0.5g」「0.2g」という超微細な数字まで完全一致している。作り方もほぼ同一で、意図的に最後の行だけ微調整した痕跡が確認されているとのこと。さらには”過去に「あおいの給食室」のレシピを提供されていた企業”しか知り得ない機密情報である「レシピ番号」まで一致しているレシピも19件確認されており、「『あおいの給食室』が提供したレシピデータをソフトに取り込み、自社商品として不正流用している可能性がきわめて高い」と夫のけんたろうは述べた。
また、保育園献立にとどまらず、「無料公開レシピ」として、企業のウェブサイト上にも94件の「酷似レシピ」があり、同企業が「あおいの給食室」の公式サイト に月に500回以上アクセスしていること、ウェブサイトのランディングページの写真や文言まで酷似しているなど、不正流用が疑われる点は多数あるという。
確かに掲載されているキャプチャを見ると、保育施設へのミールキット導入を訴求する文言や、イメージ写真が酷似していた。
■あまりのショックに、本人は寝たきり状態に
けんたろうは、あおい本人の容体について、公式サイトで、《突然フラッシュバックが襲ってくる『PTSD』の兆候も出ており、さらなる精密検査も行っている状況です。この精神的ストレスが発端となり、2月には肺炎を併発してしまいました。峠は超えましたが、3月に入ってようやく会話ができるといった状態で、いまなお日常生活もままならず、寝たきりの状態が続いております》と報告し、
《これらを総合的に判断した結果、これ以上、YouTubeチャンネルでの活動継続は難しいと判断し、大変残念ではありますが「あおいの給食室」のYouTubeチャンネルを終了とすることにいたしました》と続けた。
あおいは現在長期療養中だが、今後は会員や関係者だけがアクセスできるシークレットチャンネルを用意し、回復次第そちらで動画やレシピ、献立を提供していくと説明。また、社名を含む今回の詳細は、法的手続を踏んだ上で、公表するとした。
《私たちは、このような理不尽な事態に直面していますが、決して泣き寝入りしていけないと思っています。
私たちのように創作物を流用されながら、訴訟費用や労力を考え、泣き寝入りせざるを得ないクリエイターさんは、山ほどいらっしゃいます。これだけの登録者がいる私たちがこの事実を隠し、泣き寝入りをしてしまえば、ほかの方々に示しが付きません。悪しき先例は作ってはいけないと思うのです。ですから、これからも私たちは「おかしいものとは戦う道」を選んでいこうと思います》
この件に関して、どのような形でも構わないので、協力してほしいと呼びかけている。発表を受け、「あおいの給食室」公式サイトには、ファンから多くのコメントが寄せられていた。
《幼児食の味付けやレシピに悩んでいる時に「あおいの給食室」を見つけました。私にとって救世主のようなチャンネルでした。試行錯誤して完成したレシピが流用されてしまうのは大変腹ただしい思いですし、流用した会社は然るべき措置を取られるべきだと思います。
》
《あおいさんの笑顔が少しずつ戻るのを待っています。ゆっくりゆっくり治してください。微力ですができることがあれば立ち上がりたいです。きっとこう思っているのは私だけではないはずです。負けないで、一緒に戦います。》
《あおいさん自身がまず体調を取り戻すことに専念し、元気な姿を見せていただきたいと思います。不当な業者には絶対に負けてはいけません。》
いっぽう、不正流用の疑いがもたれている神奈川県の給食業者が運営するウェブサイトは未だ公開されており、保育施設向けミールキットの販売も続いている。
この件について本誌が運営元のA社に問い合わせたところ、「この事案につきまして、弁護士を通じて法的手続きを行なっている最中です。それが終わるまで、何も申し上げることは出来ません」として、具体的な回答は得られなかった。
レシピには著作権が無いものの、ここまでの無断盗用が事実であれば、看過できるものではない。給食という公共性の高い事業だが、業者はこのまま“ダンマリ”で済むのだろうか――。