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預貯金だけでは10年後に資産は2割減…低リスクでお金の価値を守る資産防御法は?

女性自身
預貯金だけでは10年後に資産は2割減…低リスクでお金の価値を守る資産防御法は?

物価高に対抗するために資産を“働かさせ”よう(写真:zon/PIXTA)



「以前は1週間分をまとめ買いして約1万円でしたが、最近は1万5000円近くに。値上がり続きで買い物がつらいです」(50代主婦)

『女性自身』の読者からは、物価高を嘆くそんな声が。それもそのはず、2026年2月の消費者物価は2020年より12.2%も上がっているのだ(総務省)。また、イランでの軍事衝突もあり、さらなる物価高騰の脅威が迫っている。

2026年の春闘では、連合(日本労働組合総連合会)の傘下組合の平均賃上げ率が5%を超えるなど大企業では賃上げが進んでいるが、中小企業を中心に給与が伸びていない会社も多い。また、年金生活者の家計は厳しいものになっている。

「年金額は毎年少しずつ増えていますが、やりくりはどんどん厳しくなって……。果物やケーキなどには手が出ません」(70代主婦)

公的年金の受給額はマクロ経済スライドにより、物価や現役世代の賃金の上昇率より抑えられる。
支給額自体は増えても、物価上昇を考慮すると“実質減”となる。

2025年の家計調査によると、65歳以上の無職夫婦の家計収支は月4万2434円、年間だと約50万円の赤字となる。90歳まで生きるとすると、必要となる老後資金は1270万円にも。

「NISAブームもあり、老後資金を投資でなんとかしようという人が増えている印象です。それでも、『投資は怖い』と踏み出せない人がまだまだいます」

そう話すのはファイナンシャルプランナーの高山一恵さん。投資の失敗経験を持つ親のもとで育ったり、FXや暗号資産などで破産したなどのニュースばかりを目にしたりした結果、比較的若い世代にも「投資は危険」と、頑なな人は多いという。

金融庁によると、新NISAが始まった2024年には、約2600万ものNISA口座が開設された。だが、4割の約1千万口座は投資額ゼロ。
口座を開いたものの、投資を始めない人も多い。

「投資を不安視する人は『預貯金なら安全で安心』といいます。しかし、物価上昇が続くとお金の価値は目減りしますから、預貯金が安心とは限りません」(高山さん、以下同)

日本銀行は年2%のインフレ(物価上昇)を目標としている。年2%の物価上昇とは、今年100万円で買えたものが翌年は102万円になるということ。預貯金利率が物価上昇率を上回らない限り、残高の価値は下がっていく。

「年2%のインフレが10年続くと、資産価値はおよそ8割に、35年続くと半減します。100万円をタンス貯金で持っていても、35年後には50万円分の買い物しかできません」

仮に、現段階で老後に必要な資金を十分に用意できたとしても、物価上昇率より利率が低い普通預金や郵便貯金などで持ち続ければ、価値が目減りし、将来的に老後資金が足りなくなる可能性も。

「現在のような物価高時代には、投資をしないこと自体がリスクになります。
資産を効率よく増やすため、そして作った資産を減らさないためにも、賢い投資が必要なんです」

■低リスク投資で資産の目減りを防げ

しかし、最近はドナルド・トランプ米大統領の発言などで株価が乱高下するなど、初心者が参入しやすい市場とは言いづらい。

「投資を勧めると、いきなり株式投資に大金を投入する人もいますが、それは危険です。投資といってもリスクの低いものも実はたくさんあります。低リスクなもので少額から、投資に慣れていくことが大切です」

株式投資や株式投資信託と比較して、相場の変動などによる値動きのない低リスクな投資を高山さんに聞いた。

投資を将来の資産を増やすための運用と解釈すると、「定期預金」も立派な投資になる。

「定期預金は元本が保証され、預け先の銀行が破綻しても預金1千万円とその利息までは保護される安全資産。ただ、物価上昇率を利率が下回る場合が多いので注意が必要です」

とはいえ、利率は上昇中。

「デフレ期には普通預金が0.001%でした。
このインパクトが大きくて、いまだに預金金利は上がっていない、どこに預けても同じと思っている人がいます。しかし、ネット銀行などでは利率1.45%の定期預金もありますよ」

安心資産といえば、国債は?

「国債には、中途換金しても元本割れのない『個人向け国債』と、市場価格で取引するために元本割れリスクのある『新窓販国債』があります。ただ新窓販国債も満期まで保有すれば元本割れのリスクはほぼありません」

法律で一定額が保護される定期預金や、国が破綻でもしない限り元本割れしない国債は、“超低リスク”な投資といっていい。■株価の乱高下に悩まされない投資法も

ここからは、元本割れのリスクはゼロではないものの、株式や投資信託などと比べ、 低リスクな投資をみていこう。

「最近、ネット銀行などが『金銭信託』に力を入れています」

金銭信託とは、お金を金融機関に預け、それをプロが運用して、獲得した収益を分配するもの。最近は企業に資金を貸し付けることで運用する金銭信託があり、企業から滞りなく返済があれば利益は確定する。利率は預貯金以上で、リスクが低いことがメリットだ。

また、金銭信託と似た仕組みで、金融機関ではない企業が仲介する「固定利回りの企業投資型運用サービス」もある。
“運用期間は3カ月で予定利率は1%”や“運用期間は2年で予定利率は4%”などファンドごとにあらかじめ利率と期間を決めて投資を募集。

ただし、運用成果としての利回りは確約されていない、また企業の破綻などで元本割れのリスクはあるが、上場企業など信頼できる企業への投資ならば、比較的成果を期待しやすい投資方法だ。

「投資した人には、分配金が一定期間ごとに入金されます。株式相場が乱高下しても、そうした値動きに左右されない点が安心です」

中高年にはなじみの深い貯蓄型保険はどうだろう。

「今は金利が上昇しているので、元本割れのリスクは低いと思います。ただ保険は手数料が高い傾向があり、投資の手段としてはあまりお勧めしていません」

■リスクに応じて資産を3分割する

投資にも低リスクなものがあることはわかったが、投資初心者は何から始めればいいのだろう。

「普通預金の口座にお金がたまっている人は“お金の置き場所を変える”ことから始めましょう。その際は資産を3つに分けて、それぞれを適切な置き場所に置くことで、リスクが抑えられます」

まず、生活費の6カ月分は安全第一、いつでも入出金が簡単な預貯金で。
次に5年以内に使う予定のあるお金は元本の確保を重視して、低リスクな国債や金銭信託、固定利回りの企業投資型資産運用サービスなどへ。

「低リスクの投資に慣れてきたらもう少しリスク許容度を広げられると思います。5年以上使わないお金はつみたてNISAなどで老後資金作りにあてましょう」

積立投資は始めて5年間だと元本割れの恐れがあるが、20年たつとリスクはほぼなくなるという金融庁のデータもある。「投資は早く始めて長く継続するのが安定的に運用する秘訣です」

最近は「70歳以降も働く」という人が約4割いるという(2026年3月、日経新聞)。だとしたら、投資は50歳からでも遅くはない。

「最初の投資は、自分が安心と思えるものを選びましょう。国債なら安心、利回り固定は安心など、自分なりの安心を探してください」

お金を持っているだけでは価値が目減りしていく物価高時代。低リスクな投資で価値を守りながら、堅実に資産を積み上げていこう。

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