「いつものように風間俊介と遊んでばかりいて」伝説の決闘シーンで金八の息子役・佐野泰臣が忘れられない大失敗
『金八先生』を通じて風間俊介と親友になった佐野泰臣
「『3年B組金八先生』の長い歴史で、ボクが関わらせていただいたのは平成に入った第4シリーズから。それでも10歳から23~24歳までの15年にもなります」
こう振り返るのは佐野泰臣さん(41)。児童劇団時代に、金八先生の息子役に抜擢された。
「オーディションでは、同年代の子たちが何百人も集まっていました。プロデューサーの柳井満さん、脚本家の小山内美江子さんを前に10人1組くらいになって、順番にお芝居をしたり質疑応答があったりしたんです。それなのにボクは自己紹介だけで終わり。“こんなにすぐに落とされてしまうんだな”って諦めていたら、合格の知らせが。後になって聞くと、オーディションでほかの子の自己紹介をニコニコしながら聞いている姿を見て、柳井さんも小山内さんもボクに決めてくださったそうです。
芝居のうまい下手は関係ないんですね」
姉役の星野真里とともに武田鉄矢に挨拶に行ったときのことだ。
「鉄矢さんは『お前らが娘と息子か。よろしくな』とそっけない。子役相手であってもプロとして接し、線を引いていたのだと思います。鉄矢さんの『セリフを言おうとするな。感情を優先させろ。言葉なんてなくっていいんだから』という言葉が、ボクの芝居の土台になっています」
第4シリーズが終了し、子役としての活動に区切りをつけた。
「役者を続ける気がなかったんですね。
ところが、中学3年になったときに『もう1回、金八をやるから出てくれ』って連絡をいただいたんです。夏期講習に行くのが嫌で、出演をOKしました」
ここで出会ったのが、同級生役の風間俊介だった。
「撮影がない日も一緒に遊び、風間の実家に泊まって、次の日に現場に行ったりしていました。風間はセリフ覚えが早くて一読で頭に入るから、さっさと覚えてカラオケ行こう、ゲームやろうと誘ってくるんです。ところがボクにはそんな力はないから、風間が寝てから、必死でセリフを覚えていました」
2人のシーンで、忘れられない失敗もあったという。
「河原で決闘する場面。夕日を待っている間、いつものように風間と遊んでばかりいて。スタッフも余裕の姿を見て安心していたようですが、いざ、リハが始まると、2人ともまったくセリフが入っていなかったんです。
スタッフに『10分やるから覚えろ!』と怒られて……。人間集中すれば、10分でも覚えられることも教わりました(笑)」
『3年B組金八先生』(TBS系、1979~2011年)
32年間にわたって放送された熱血教師・坂本金八(武田鉄矢)が活躍する学園ドラマの金字塔。『VIVANT』などで知られる福澤克雄が演出に参加した第5シリーズは兼末健二郎(風間俊介)を中心に「学級崩壊」や「不登校」をシリアスに描き高視聴率を記録!
【PROFILE】
さの・やすおみ
1984年生まれ、東京都出身。『3年B組金八先生』シリーズで広く知られ、以後多くの映画、ドラマで活躍する。