「とにかく想矢を呼んでくれって」舘ひろしが語る『国宝』黒川想矢の「魅力」
舘ひろし&黒川想矢(撮影:樽木優美子)
舘ひろし(76)が主演を務めた映画『免許返納!?』。70歳の映画スター・南条弘が、“免許返納騒動”に巻き込まれながらも、己のプライドと夢を懸けて奔走する姿を描く。そんな南条のライバル俳優の息子・来宮亮を演じたのが、黒川想矢(16)だ。映画『国宝』で主人公の少年時代を演じ高い評価を得るなど、若手実力派として注目を集める黒川。舘とは5年前の共演をきっかけに、現在は同じ事務所に所属している。
演じた南条について、舘は「小さい男なんですよ」と笑う。
「人の悪口も言うし、見えっ張りだし。でもすごく人間味がある。
見ている人がシンパシーを持てる役かなと思っています。“舘ひろしにもこういう部分があるんだな”と思っていただいて結構です」
いっぽうの黒川は、脚本を読んだときの印象を「“うるせえおっさん”“黙れおっさん”って、おっさんがいっぱい並んでいて(笑)。これをやるんだってちょっと恐怖でした」と振り返る。それでも現場では、舘の「思いっきりやれ」という言葉に背中を押されたという。
舘自身、脚本を読んだ段階で「亮役は想矢しかいない」と感じていたそう。
「学業が忙しくて難しいかもしれないと言われたんですけど、とにかく想矢を呼んでくれってお願いしました」
そんなエピソードに、黒川は「初めて聞きました(笑)」と驚いた表情を見せていた。
黒川にとって現場は刺激の連続だった。
「舘さんは、その場で作品を作り上げていくんです。
アドリブひとつで空気が全部変わる。いちばん楽しんで芝居をされているのが素敵でした」
そんな黒川について、舘は「初めて会ったときから目の強さがあった」と振り返る。2人が初共演したのは、黒川がまだ小学生だったころだ。
「そのころから目力がすごかった。映画『怪物』を見たときも、昔のイメージとはまるで違っていて、こんなにいい俳優さんになっているんだと驚きました。今はテクニックじゃなく、気持ちで芝居ができる。そこが彼の魅力なんです」
その言葉の背景には、石原軍団で受け継がれてきた教えがある。
「石原裕次郎さんや渡哲也さんから、『芝居をするな』とずっと言われてきました。
またあるとき、倉本聰先生も渡さんに、『テツ(渡哲也)の年になったらセリフを言ってるだけでいいんだ』っておっしゃっていて。その意味が最近ようやくわかってきた気がします」
最後に舘は、若き後輩へこんな言葉を贈った。
「芝居はもう十分できてる。これ以上上手くならなくていい。どう生きるかが、そのまま芝居に出るから」
先輩たちから受け継いだ哲学を胸に、今も第一線を走り続ける舘。その背中を追いかける黒川との関係性が、この映画に温かな深みを与えていた。
【INFORMATION】
映画『免許返納!?』
6月19日(金)公開。70歳の大御所映画スター・南条弘(舘)は、バイク事故を起こした俳優仲間をかばった発言から、“免許返納宣言”をしたと世間に誤解されてしまう。
愛車や俳優人生を守るため奔走するなか、盟友の最期の願いと亡き妻との約束に向き合っていく。
【舘ひろし】
ヘアメーク:岩淵賀世
スタイリング:中村抽里
衣装協力:《イージダブルスーツ》タリアトーレ(トレメッツオ)
【黒川想矢】
ヘアメーク:赤坂佑馬(ARISE by A.Design)
スタイリング:フカザワユウタ
衣装協力:《ベスト》フランク リーダー(マッハ55リミテッド)/《シューズ》アデュー(バウ インク)ほかスタイリスト私物