石田ゆり子、田中裕子ですら何度もやり直し! 『もののけ姫』アフレコ現場で一発OKだった森繁久弥さんと美輪明宏と意外な俳優
主人公のアシタカ役に抜擢された松田洋治
「『もののけ姫』は、冒頭から腕や首が飛ぶような過激な描写もある作品なのでファミリー層にはウケないはず、『となりのトトロ2』を作ったほうがヒットするのではといった声が出演者の中でもありましたが、そんな不安をかき消し、映画は空前の大ヒット。昨年10月、4Kデジタルリマスター版の公開に合わせたトークショーに参加したときも、鑑賞後、思わず(石田)ゆり子ちゃんに『この映画、面白いね』と言ってしまいました。鈴木(敏夫)さんから『今さら、何言ってんだ』ってあきれられましたけど(笑)」
こう語るのは、主人公・アシタカの声を担当した松田洋治さん(58)だ。アニメの声優経験は『風の谷のナウシカ』以降なかった。
「子役時代に洋画やアメリカのドラマの吹き替えの仕事をしたことはありました。洋画の場合は原語があるので、それに合わせて話せばいいのですが、アニメは声を一から吹き込むことになります。洋画は伴奏つき、アニメはアカペラという印象ですね」
そのため、録音現場では苦労の連続。
「しゃべり出すタイミングは、何回テストをしてもつかみづらく、唯一、本業の声優だった島本須美さんにキューを出してもらったベテラン俳優もいたほど。
ゆり子ちゃんは『いつ降ろされるのか不安だった』と思っていたみたいだし、あの(田中)裕子さんですら、何度もやり直しがありました。一方、西村まさ彦さんはバンバン一発OKが出るんです。西村さん、森繁久彌さん、美輪明宏さんたちは、宮﨑(駿)監督の想定を超えていたんじゃないでしょうか」
同作品では、アシタカと300歳の山犬・モロの君を演じた美輪とのシーンが印象的だが……。
「実は別録りだったんです。最初に録音したのがボクなので、美輪さんの演技を予想しながら演じなければなりませんが、なにしろ常人ではないので……」
完成記者会見では、宮﨑監督に向けて、松田さんの抜擢理由が質問されたという。
「なぜ、これだけのキャストを集めたのに、声優でもなくメジャーではないボクを選んだのかというある意味イジワルな質問に、監督は『アシタカが単なる正義のヒーローなら、ほかにいくらでも候補がいました。それだけです。これ以上の理由が必要ですか?』と回答。
ボクは“声で芝居をするのではなく、芝居の結果に声がある”ということだと感じ取り、自信になりました。その解釈が合っているのかどうかは不明ですけど(笑)」
『もののけ姫』(1997年)
死の呪いを受けて村を追われたアシタカ(松田洋治)が、山犬に育てられた人間の娘・サン(石田ゆり子)とともに神と人間の争いを止めるために奔走する、宮崎駿監督による大作アニメ。累計興行収入は200億円越え、2025年のテレビ放送でも視聴率10%以上!
【PROFILE】
まつだ・ようじ
1967年生まれ、東京都出身。5歳で劇団ひまわりに入団。以後、数多くの映画、ドラマで活躍する。8月9日、浜離宮朝日ホールで開催される『長崎の郵便配達・朗読と音楽の集い』に出演。
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