「足し算のお勉強したい」震災当日に被災地で生まれた子
’11年3月11日の東日本大震災当日に被災地で生まれた子どもたちが、4月から小学校へ通う。本誌は、憧れだったランドセルを手に入学式を待ち望む、被災地で生まれた新小学1年生を取材した。
■星山琉菜ちゃん(’11年3月11日18時49分・福島県双葉郡生まれ)
「このランドセルのお気に入りはねえ、ハートがいっぱいなとこ。ほら、見て見て、こんなとこにもハートだよ」
真新しいピンクのランドセルで、おしゃまなポーズを決めるのは、あの日、福島第一原発からわずか2キロという病院で産声をあげた琉菜ちゃん。余震が続くなかの帝王切開手術だった。翌朝、「原発が危ない!」との急報で、迫り来る放射能物質から逃れるように母・真弓さん(36)、父・晃一さん(39)と福島市内の病院へ避難。
「バスが揺れるたびおなかの傷に激痛が。ミルクが飲めず火がついたように泣く琉菜を抱っこして長時間の移動は本当につらかった」(真弓さん)
その赤ちゃんが、この春からは小学生だ。
「もうあれから6年ですね〜」としみじみ当時を振り返る両親。