羽生結弦、野口健…なぜぬいぐるみ愛する大人が増えている?
「くまのプーさん」を愛する羽生結弦選手や、「もぐたろう」紛失騒動で話題になった江口ともみさんなど、今、ぬいぐるみ愛を堂々とアピールする大人が急増中。それって変なの?いえいえ、もはや「ぬいぐるみは子どものもの」という考え方こそ古いんです。
「大人になったからといって無理にぬいぐるみと離れることは好ましくありません。『いつまでも一緒にいていいんだよ』と言いたいですね」
快獣ブースカ、リラックマ、くまモンといったキャラクターがズラリと鎮座する研究室でそう語るのは、法政大学教授の青木貞茂さん。ぬいぐるみを愛する大人が増加する背景を、青木さんはこう分析する。
「社会の変化に伴い、家庭も仕事も努力なくして安定はなく、生き抜いていくために常にバージョンアップが求められる時代。その中にあって、『ぬいぐるみ』は激流の中で自分をつなぎとめてくれる“心の錨”のような存在なんです。野球の大谷翔平さん、スケートの羽生結弦さんといったトップアスリートの方々がぬいぐるみ好きであることを公言し、アルピニストの野口健さんも自宅でくまモンと差し向かいで晩酌をしているとか。
保証のない世界で闘う彼らが、ぬいぐるみに精神の安定を求め、癒しを得ていることはその典型例といえるでしょう」(青木さん・以下同)
もちろん心のよりどころとなりうるものは、ほかにもある。しかしペットや人はケアが必要であり、亡くなってしまうことも。絶対的に自分を受け入れてくれる“守り神”的な存在として、ぬいぐるみは理想的だという。
また、日本では古来、長い年月を経た道具などに神が宿る「つくも神」という考え方が受け入れられてきた。
「“ぬいぐるみ愛”の根底にもこの思想が流れています。だから断捨離などといって、親がお子さんのぬいぐるみを勝手に捨ててしまうのは言語道断。自分も簡単に捨てられてしまう存在なのだと、とらえられかねない。どうしても処分したいなら、お焚き上げなどの儀式をしたほうがいいと思いますが、そもそもそこまでして捨てなければならないのでしょうか。
大人になってもそばに置いておくことで、人に対しても慈しみの心が芽生える。ぬいぐるみを愛する心に、何も不都合はないのです」
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