『スワロウテイル 4Kリマスター』岩井俊二監督のオフィシャルインタビュー到着
(C)SWALLOWTAIL PRODUCTION COMMITTEE
9月4日(金)より上映される『スワロウテイル 4Kリマスター』より、岩井俊二監督のオフィシャルインタビューが到着した。
『スワロウテイル』は、公開当時33歳の若手映像作家だった岩井俊二が『Love Letter』に続いて世に放った長編映画第2作。三上博史、Chara、伊藤歩、江口洋介、アンディ・ホイ、渡部篤郎、山口智子、大塚寧々、桃井かおりといった豪華キャストが集結し、かつて“円”が世界で一番力を持っていた頃の架空都市を舞台に、英語・中国語・日本語が入り混じる混沌の世界観の中、夢を追う者たちの輝きをエネルギッシュに描く。
4Kリマスター化に際しては、岩井監督が完全監修しDolby Atmos化を実施。先んじて、2025年の東京国際映画祭にて4K版が上映されたが、今回上映される『スワロウテイル 4Kリマスター』は、東京国際映画祭上映バージョンにさらにブラッシュアップを重ねたものとなっている。
岩井俊二監督 オフィシャルインタビュー
■企画の成り立ちについて
テレビドラマ『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』が終った1993年の9月くらいからだいたい2カ月で初稿を書いたんです。だから実は『Love Letter』の話が来る前に考え始めていた企画になります。『undo』『PiCNiC』もその後に撮ったので、『スワロウテイル』はかなり最初から頭にあった作品です。
だから意外にも第1作の『Love Letter』がもともとテレビ用の企画を映画にしてほしいと請われて「急遽作らなくてはいけなかった映画」だったのに対して、『スワロウテイル』は「もともと作りたかった映画」なんですね。製作当時は円が90円台を推移している最も円高の時代だったので、おかげさまでロサンゼルスで編集ができました。
今回はそれから30年を経て、円のパワーについては全く状況が変わってしまったなかでの4Kリマスター版公開というわけです。■日本語、中国語、英語など、移民的な言語が飛び交うことについて
『スワロウテイル』でこだわった点はまさにその「言語」で、割と日本映画って外国語の会話の表現がおざなりだったでしょう?たとえば片方が英語を話して字幕が出て、片方が日本語を話している(笑)みたいなおかしな表現が昔はざらにありましたよね。一方で、今では考えられないのだけど、90年代って日本の若い観客が公然と「あ、邦画は観ません」と言っている時代で、ちょうど日本酒やウィスキーが不人気な時代があったように邦画が好まれなくなっていた。逆にシネ・ヴィヴァンみたいなミニシアターで字幕付きのヨーロッパ映画を観るのはカッコいい、みたいな時代だったから、そこはもう逆手に取ってクレジットタイトルも英語だし、外国語の会話の部分もちゃんとリアルにやる、ということを徹底しましたね。
■キャスティングについて
三上博史さんは、自分的には大好きだった寺山修司の『草迷宮』の主演者でもあり、90年代はいわゆるトレンディドラマのスターだったので、ぜひご一緒したい人だった。だから実は初稿があがった段階で読んでいただいていたんですが、でも「こういう企画はなかなか実現が難しいんじゃない?」って言っていましたね。
CHARAさんはもともと僕がファンとしてCDを買ったりしていたんですが、『FRIED DRAGON FISH』のエンディングに曲を使わせてもらって、当時彼女がCMにも出始めていたので、それならぜひ映画に出てほしいと思ったんです。それで『スワロウテイル』の前に一度映画を経験してもらおうと思って『PiCNiC』を撮った。
伊藤歩さんは、実は『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』のオーディションで真っ先に会った子なんですが、ちょうどその頃頭にあった『スワロウテイル』前段階の殺し屋と少女アゲハの話に凄くぴったりだ、とインスピレーションが働いて「ぜひアゲハを演ってほしい」と思ったんです。ただ『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』の少女ではないかなと思ったら、次に入って来たのが奥菜恵で、こちらにもピンと来てすぐ起用を決めたんです。だから不思議なこともあるもので、この時のオーディションは、なんとこのふたりにしか会っていないんですよ。
ただ『スワロウテイル』で伊藤歩さんに再会した時は、このオーディションのことは覚えていませんでしたが(笑)。渡部篤郎さんの場合は、東海テレビの『愛の天使』という帯ドラマを観ていたら、「この昼メロであまりにも異質な演技をする人がいる」と気になって来まして(笑)、オファーしたんです。
<作品情報>
『スワロウテイル 4Kリマスター』
9月4日(金)公開
公式サイト:
https://swallowtail4k.jp
(C)SWALLOWTAIL PRODUCTION COMMITTEE