劇団四季のオリジナルミュージカル『ゴースト&レディ』の製作が決定し、4月10日、都内にて製作発表会見が開催された。作品は『うしおととら』『からくりサーカス』等のヒット作を持つ藤田和日郎による中編コミックス『黒博物館 ゴーストアンドレディ』を原作にしたもの。19世紀ヨーロッパを舞台に、近代看護の礎を築いたフローレンス・ナイチンゲール(フロー)と、芝居好きなゴースト、グレイが繰り広げるファンタジックなラブストーリーだ。

劇団四季『ゴースト&レディ』
会見には演出のスコット・シュワルツと劇団四季の吉田智誉樹 代表取締役社長が登壇し、この原作をミュージカル化するに至った経緯や作品の構想が語られた。まず吉田社長は「看護の道を閉ざされ生きる希望を失い死を望んでいたフローと、そんな彼女から「殺してほしい」という依頼を受けたグレイがバディを組み、クリミア戦争のただ中に赴く筋立てです。「フローが絶望の底に落ちた時に取り殺す」という契約をしたふたりだが、幾多の困難を乗り越えかけがえのない関係性を築いていくこの物語は、人間というものを超えた大きな宿命を描いているように思えます。また、19世紀半ばの欧州が直面したシリアスな歴史を描きながらも、冒険やロマンスといった要素が盛り込まれている。