2022年1月26日 07:00
有村架純が『前科者』に込めた想い「向き合うことさえ諦めなければ、人は変われる」
撮影:川野結李歌
犯罪者の更生を助ける保護司として、人生につまずいた者たちに寄り添う日々を送る阿川佳代。そんな彼女の駆け出し保護司時代を描いた連続ドラマに続き、映画『前科者』では阿川の前にある事件が立ちはだかる。寡黙で誠実な“前科者”が関わるその事件は、やがて阿川の知られざる過去や“保護司になった理由”にも触れていくことに……。『あゝ、荒野』など、国内外で高い評価を受ける岸善幸監督の下、有村架純が保護司の阿川佳代を熱演。「自信を持って送り出せる作品になりました」と胸を張る有村に、話を聞いた。
──有村さん演じる阿川佳代は、多面的な魅力を持つ主人公ですね。
有村佳代の愛すべきところは未完成な部分にあると思います。もし彼女が熱血教師や正義のヒーローだったら、この物語は成立しなくて。佳代自身にも癒えない傷があり、劣等感があり、だからこそ自分の存在意義を探し続けている。社会と上手く向き合えていないところが、保護司として人と寄り添うことにつながっているのかなと感じました。
──保護司である阿川を演じる上で大切にしていたことは?
有村現場に来てくださっていた保護司の方に伺った話では、やはり大事なのは保護観察対象者との距離感。