東京・紀伊國屋ホールにて上演中の、尾上松也、吉岡里帆、和田琢磨、渡辺えりが出演する『ガラスの動物園』『消えなさいローラ』。今回渡辺は、自身が演劇を志すきっかけにもなったという憧れの作品である、テネシー・ウィリアムズの出世作『ガラスの動物園』と、別役実がその後日譚として書いた『消えなさいロ ーラ』両作品の上演台本と演出を手がける。世界初となる二本立て上演としても注目を集める本公演のオフィシャルレポートと舞台写真が到着した。
テネシー・ウィリアムズ『ガラスの動物園』と、その後日譚として描かれた別役実『消えなさいローラ』の連続上演という異例の企画が、ついに開幕した。上演時間は3時間45分(休憩15分)と聞いて少し身構えたが、杞憂に終わる。観終わった瞬間、切なさと晴れやかさが同時に湧き上がり、胸が熱くなって感涙。作品から感じられる優しさや温かみや匂い、俳優・演奏者・スタッフの懸命な姿から、辛く哀しい日々を慰められたような、疲れた魂を鎮められたような気持ちにもなった。この豪快なプランを渡辺えりに提案したという尾上松也に感謝したい。
常軌を逸した松也の提案を真に受けた渡辺も正気の沙汰ではない。