ソプラノの森麻季がライフワークとして続けているリサイタル・シリーズ「愛と平和への祈りをこめて」が14年連続14回目を迎える。
「1回目は東日本大震災の半年後。運よく14回も続けてこられています。この公演ではいつも、ちょっとチャレンジして、普段あまり歌っていないけれど『祈り』という趣旨に合うような作品を選んで歌っています。最初からずっと聴いてくださっている方もいらっしゃいますので、なるべくプログラムが重ならないように、たとえばこの数年は周年の作曲家を中心に、毎年がらっと変えていけたらなと考えています」
そう話すように、プログラム前半には、團伊玖磨(生誕100年)の歌曲《ひぐらし》《舟唄(片恋)》、フォーレ(没後100年)の《ピエ・イエズ》(レクイエム)、ミヨー(没後100年)の《神様が護ってくださいますように》と、日本とフランスの、今年がメモリアル・イヤーで話題の作曲家が並ぶ。
「團伊玖磨さんの歌曲は、素敵だと思っていたのですが歌ったことがなくて、今回初めてのチャレンジです。フォーレはこのリサイタルのあと、10月に山田和樹さんとトゥールーズ・キャピトル国立管弦楽団の《レクイエム》全曲で共演させていただくこともあって選びました(*)。