2023年11月20日 12:00
北野武監督『首』は毒気もバイオレンスも前代未聞の戦国時代劇!【おとなの映画ガイド】
、軍司・黒田官兵衛(浅野忠信)との会話なんて、まるでビートたけしとたけし軍団のやりとりのようだ。
この秀吉の視点から見た権力抗争と、秀吉に憧れ自分も侍になって出世する夢を抱く難波茂助(中村獅童)ら下層の人間たちの野望が平行して描かれていく。忍びの芸人・曽呂利新左衛門は、御伽衆として秀吉に仕えたといわれ、落語家の始祖とされる実在の人物。この曽呂利の活躍は戦国スパイサスペンスともいえる面白さだ。
北野武著の原作小説『首』も出版されている。現代の言葉遣いで書かれていて、これはこれで翔んでいるのだけど、映画は原作より数倍過激。「死」のシーンも絶対美化しない、血みどろな時代劇。かつて「赤信号、みんなで渡ればこわくない」といい切った“タケちゃん”の毒気は健在である。
文=坂口英明(ぴあ編集部)
【ぴあ水先案内から】
笠井信輔さん(フリーアナウンサー)
「色んな意味で強烈すぎる!やっぱり北野武監督は一筋縄ではいかない。……」
笠井信輔さんの水先案内をもっと見る(https://lp.p.pia.jp/article/pilotage/293861/index.html)
中川右介さん(作家、編集者)