「プロにはなれない」と知ったあの日から。富本惣昭が『ブルーロック』で追いかけた高橋文哉の背中と“自分のエゴ”

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「プロにはなれない」と知ったあの日から。富本惣昭が『ブルーロック』で追いかけた高橋文哉の背中と“自分のエゴ”

(撮影/米玉利朋子)



かつて、グラウンドでボールを追いかけながら「自分はプロになれない」と悟った少年がいた。時を経て、俳優として再びピッチに立った富本惣昭が届けるのは、映画『ブルーロック』での胸を打つ熱演だ。憧れの元日本代表・松井大輔に会えた日のこと、人見知りの自分と重なる二子一揮の繊細な瞳、そしてプレッシャーに潰れそうな自分を救ってくれた主演・高橋文哉の温かい言葉──。少年時代の挫折から、舞台で浴びた拍手の歓喜まで。一歩ずつ泥臭く歩んできた彼が語る、「推したくなる理由」と役者としての果てしない伸びしろ。

松井大輔からサッカー指導を「小さい時の自分に教えてあげたい」

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――映画『ブルーロック』で二子一揮役を演じる富本さん。出演が決まった時のお気持ちを教えてください。

嬉しかったです。
その後で「こんな大作であるブルーロックで、ニ子を演じるのか」というプレッシャーがやってきて、身が引き締まる思いになりました。

――もともと原作ファンでもあったとのことですが、どのようなところがブルーロックの魅力でしょう?

今までのサッカー漫画はチームのために戦うのが当たり前だったのに対し『ブルーロック』は、自分のゴールのために戦うという描き方をされていて、そこがおもしろさだなと感じています。それから、一人ひとりのキャラが立っていて、それぞれが秘めている可能性を導き出していく最高に面白い作品だと思っていて。
そういうところから、僕がいる芸能界という世界、常に戦っている部分と重ねちゃうところもあって、刺激を受けるなと思っています。

――今回、サッカーのシーンの監修には日本代表だった松井大輔さんも入っているんですよね?松井さんとはお会いしましたか。

練習会で何回か教えていただきましたが、やっぱり違うなと思いました。スキル云々はもちろんのこと、力を抜いてプレーされる感じがすごくて。視野も広いですし、憧れていた選手の一人なのですが、まさか俳優になって、松井さんにサッカーを教えてもらえるなんて想像してなかったです。
小さい時の自分に教えてあげたいです。――芸能界入りする前は、サッカーをやっていたんですよね?

はい。小学2年生から中学3年生の間。小学生のときはクラブチームでやっていて、中学校のときは部活でやっていました。ポジションはボランチとサイドハーフでしたね。小学生の頃はワントップのポジションとかが人気ではあった一方、僕はアシストして喜ぶとか、フリーキックとかコーナーキックを蹴りたいと言うのがあって。

――クラブにいたら頼もしい選手ですね。

キックの精度だけは良くて。
毎回緊張しちゃうんですけどね(笑)

高橋文哉さんは、真ん中にいるべくしている人

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――出演が決まる前の推しキャラクターは?

僕は馬狼照英です。馬狼は、僕に持ってないものを持っているキャラクターなんですよね。自分が王者(キング)って、言っちゃっていますから。そういう自分に対して持っているプライドの高さとか、その一方で意外と繊細なところが見ていて好きでした。

――自分と近しいと感じるキャラクターは?

これに関しては、やっぱり二子なんですよね。僕、かなり人見知りだし、物事を俯瞰してみたりしているんです。ニ子が人見知りかどうかは1回おいておいて、シャイな部分とか、人を俯瞰して見ているところが似ているなと思います。ただ、今回、二子を演じてみて、改めて一歩引いているようで内なる情熱、エゴを持っているキャラクターなんだなと感じました。
勝利に対しての執着心とか、ニ子がどんどんブルーロックに染まっていく感じが大好きで、ニ子を演じられるのが楽しみだなと思いましたね。

――そんな二子と、逆にここはあまり似ていないなと思う部分はありますか?

口数の多さですね。人見知りゆえに、ごまかしのような口数が多くなってしまうので。初対面の方との沈黙が怖いんです(笑)。

――そうなんですね。二子を演じるのは、大変でしたか?

顔が見えていない分、目で語る芝居は本当に難しかったです。どういう風に映っているのかなとか、反射するガラスを見て何度も確認しました。

――共演者の方との思い出があれば教えてください。


潔役の高橋文哉さんから、たくさんのことを勉強させていただきました。今回、主演として背中で引っ張っていってくれる場合もあれば、言葉で勇気づけてくれることもあって、それだけで現場が明るくなるなと。あとは二子が潔と対峙するシーンで、その時の僕にとってすごく支えになるアドバイスもいただいて、真ん中にいるべくしている人だなって思いました。

――撮影を通して仲良くなった人はいますか?

同じくチームYの大川響鬼役を演じた木田佳介さんと、一緒にいる機会が多かったです。ホテルでも一緒にいて、沈黙があっても怖くないような関係になりました。

――撮影中に「ここはサッカーをやっていたから活きたな」という経験は?

基本的に僕はサッカーシーンがメインだったので、ずっと活きていた感覚でしたね。木田さんと話した時に「オブザボールの動きとかが、やっぱ大事だよね」とおっしゃっていて「それは確かに」と思いつつ、そこでサッカーをやっていてよかったなと思いました。やっぱり見る人から見たらわかるものだからこそ、細かく、みんなで調整して話し合いました。


不安を溶かした初日の拍手。「もっと愛されたい」と芽生えたエゴ

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――中学3年生までサッカー漬けだった富本さんが芸能界を目指したきっかけはなんでしたか?

中3の時に、サッカーに対して一旦区切りをつけようかなって思ったんです。それで、何をしようか探していたら、今の事務所からスカウトしていただきました。

――なぜ区切りをつけようと思ったのでしょう?

プロになれないって、わかっちゃったんですよね。あと、ずっとサッカーをやってきたからこそ、違うことをしたいという思いが強くなりました。僕、クラブチームでキャプテンとかをやっていたこともあって、練習がない日もずっと練習していたくらい打ち込んでいたんです。だからこそ、小学6年生くらいのタイミングで「これはプロになれないな」とある一種の挫折みたいなものをして、ただ中学生のときはわかりつつも部活に入ったので、一旦中学3年生までは続けようと思った。それで、中3の時点で区切りをつけることを決意したんですよね。

――お話を聞いていて、最初は芸能界への想いがすごく強かったというわけではなかったのではないかと思うのですが、演技のお仕事の楽しさを感じるようになったのは、どのタイミングでしたか?

ミュージカル『テニスの王子様』に出た時です。
僕にとって、初めて舞台に立たせていただいた作品だったんですけど、「青学vs不動峰」の公演の初日にお客様から頂いた拍手が、すごく記憶に残っています。――それはなぜ?

不安だった部分もあったので「これでいいのかな、これで正解かな、認めてもらえるかな」って思っていたんですよ。代々続く歴史ある作品ですので、緊張感もあって。その緊張がちょっと解れたというか、「届いたんだな」っていうのがすごく嬉しくかったんです。もっともっといいものを届けたいとか、もっともっとたくさんの拍手をもらいたいとか、ちょっとしたエゴが出始めて、芝居に対してより一層真剣に取り組むようになりました。

「プロにはなれない」と知ったあの日から。富本惣昭が『ブルーロック』で追いかけた高橋文哉の背中と“自分のエゴ”

「プロにはなれない」と知ったあの日から。富本惣昭が『ブルーロック』で追いかけた高橋文哉の背中と“自分のエゴ”


――舞台作品も映像作品も多く出演されてきた富本さんですが、それぞれの違いを教えてください。

芝居のアプローチの仕方が全然違うなと、日々学んでいます。ナチュラルにお芝居するのって難しくて。舞台でお客様に届けるのと、映像を通して第三者に届けるのってサイズ感も違うので、そこのバランスをよく取れるように心がけているのが、課題であり楽しさです。

――今後はどのような作品に出演したいと考えていますか?

ジャンルを問わず、様々な作品に挑戦していきたいです。たくさんの人々と出会って、たくさんの人と話して、たくさんのものを得て、どんどん次に繋げて行きたいなと思っています。

――ありがとうございます。最後にこれから富本さんを応援したい人に向けて、ご自身の推しポイントをアピールしてほしいです。

僕は……よく笑います!笑顔が推しポイントです!あとはまだまだ未熟な部分が多いので、伸びしろがあるはずです。その伸びしろを一緒に見守っていただけたら嬉しいです。応援していて「成長したな」と思っていただけるように頑張ります!

「プロにはなれない」と知ったあの日から。富本惣昭が『ブルーロック』で追いかけた高橋文哉の背中と“自分のエゴ”

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撮影/米玉利朋子、取材・文/於ありさ

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<作品情報>
『ブルーロック』

公開中

公式サイト:
https://bluelock-movie.jp/

(C)金城宗幸・ノ村優介/講談社(C)CK WORKS

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