若村麻由美「舞台と映画を見比べる面白さをぜひ『Le Fils 息子』でも体験して」
撮影:藤田亜弓
アンソニー・ホプキンスのアカデミー賞主演男優賞でも話題になった『ファーザー』(フロリアン・ゼレール監督・脚本)が、元は舞台で、日本でも橋爪功と若村麻由美主演で上演され大評判になったことを、映画を見てから知った人も多いはず。ゼレール監督は、ただいまハリウッド進出第2弾となる『サン(息子)』を撮影中だが、これもまた自身作の名舞台の映画化だ。映画の前に舞台版を見ておくと、双方のおもしろさが格段にアップすることを、舞台『Le Père 父』に続き『Le Fils息子』にも出演する若村さん自身が、証言してくれている。
──橋爪功さんの父アンドレと若村さんの娘アンヌで2年前に上演され評判になった『Le Père 父』が、作者のフロリアン・ゼレール自身の監督・脚本で『ファーザー』という映画になり、アンソニー・ホプキンスとオリヴィア・コールマンの名演が話題になりましたね。
拝見しました。いやもう、すごいの一言です。父も娘も、あそこまで演じていることを感じさせない境地に達せるものなのかと。ほんとに素晴らしかったです。
ゼレールさんは脚色も手がけていますが、もともと演劇として書かれた作品なので、映画を見て、演劇版のおもしろさを再確認できました。