2023年10月3日 11:30
環境問題をはじめとする様々な課題について多様な視点で考える『私たちのエコロジー』10月18日より開催
産業革命以降、特に20世紀後半に人類が地球に与えた影響は、それ以前の数万年単位の地質学的変化に匹敵するという。人類にとって喫緊の課題であるその環境危機について考えるエコロジーをテーマとする展覧会が、開館20周年を迎えた東京・六本木の森美術館で、10月18日(水)から2024年3月31日(日)まで開催される。
世界共通の課題である環境危機に対して、現代アートはどのように向き合い、私たち自身の問題として、いかに意識を喚起させてくれるのか。世界16カ国ほど、約35人の国際的なアーティストが多様な表現を展開する同展は、作品に込められたコンセプトや隠喩、素材、制作プロセスなどを来場者がひとつひとつ読み解き、ともに未来の可能性を考える機会をもたらしてくれる展覧会だ。
4章構成のうち、特に第2章の「土に還る」は、1950年代から80年代の日本におけるアートとエコロジーに焦点があてられているという。環境問題に関する展覧会は世界各地で開催されているが、高度経済成長の裏で環境汚染が問題となった日本で制作・発表されたアートを再検証するこの章は、日本という立ち位置からこの問題を見つめ直す特別な試みとなっている。