2022年12月1日 12:00
作家たちが共鳴しながら探求した「モダン」の形を紹介『機能と装飾のポリフォニー』12月17日より開催
東京都庭園美術館では、12月17日(土) より、『機能と装飾のポリフォニー』展を開催する。
豊田市美術館、島根県立美術館での展示を経て、同館で行われる巡回展。1910~30年代に世界各地に現われた「モダン」の諸相を、各館の特色あるコレクションを中心とした、絵画、彫刻、インテリア、ファッション、デザインなど、約400点という膨大や作品や資料で紹介する。
そもそも「モダニズム」の中心をなしているのは特に建築などで重要視される機能主義。ところが、大衆文化が発達した当時は、装飾は常に新しくあることが求められ、儚き「モダニティ」の時代でもあった。このように「モダン」はいくつもの意味や形、グラデーションを内包し、またそれらが複雑に絡み合いながら、特色のある時代を作り上げていったのだった。
またこの時期は、インターネットはもちろんテレビさえない時代であったにもかかわらず、作家たちが国やジャンルを超えて交流し、情報を共有し合って、ある種の国際様式が世界中の生活空間で共有された。
たとえば生活と芸術の融合を図ったウィーン工房と、フランスのファッションデザイナー、ポール・ポワレは、彼がウィーン工房のテキスタイルを大量に買い込んだことをきっかけに本格的な交流が始まり、互いに刺激し合う関係になっていく。