新国立劇場『ラ・バヤデール』、速水渉悟が初のソロル役挑戦を語る
(撮影:鹿摩隆司)
今シーズンより新国立劇場バレエ団のプリンシパルの ひとりとしてカンパニーを牽引する速水渉悟が、古典の傑作『ラ・バヤデール』ソロル役に初挑戦する。入団以来、数々の主要な役柄で存在感を示し、つい先頃は芸術選奨文部科学大臣新人賞・中川鋭之助賞受賞で話題をふりまいた。ますますの活躍が期待される彼に、新たな役柄への取り組み、舞台への思いを聞いた。
「前回、入団して1年目に上演され他の役で踊ったので、上演が決まった頃から楽しみにしていた作品です。配役を聞いた時は嬉しかったですね」
『ラ・バヤデール』は、古代インドを舞台に、寺院に仕える舞姫ニキヤと戦士ソロルの悲恋を描く古典の傑作。主役の踊りはもちろんのこと、エキゾチックかつ絢爛豪華な美術・衣裳、見応えあるソリスト陣の踊り、どこまでも幻想的な群舞、愛憎渦巻くドラマと、様々な魅力がぎゅっと詰まった作品だ。
「役柄を自分なりに解釈し、唯一無二の、僕にしかできないソロルになりきれたらと思っています」
新国立劇場バレエ団 速水渉悟
戦士ソロルは、舞姫ニキヤと燃え上がるような恋の只中にあるにもかかわらず、王侯ラジャーの娘で絶世の美女、ガムザッティとの縁談を断りきれず、恋敵となる女性ふたりの直接対決、ヒロインの命の危機まで招いた末にニキヤは命を落としてしまう。