私は小林私を観た――今までのライブ感を疑いたくなるユニークな体験
ソールドアウトとなったリキッドルーム弾き語りワンマンライブ。当然ながらコロナ対策でオーディエンスはディスタンス確保&発声禁止。なんだかそのシンとした感じが、ライブ会場にいるんだけど生配信の始まりを待っているような不思議な気分になって、ものすごく今っぽいなと思った。
ふらりとステージに現れた小林私のまるで自宅の部屋にいるような感じ、そしてそのまま、うまいこと途中まで言おうとするMCでほっこりしたのが良かった。たっぷり時間のあるワンマンライブに来たんだなと思えたからだ。
1曲目は『後付』。インタビューで小林が語っていて印象的だったのは、「たくさんある表現のなかで、今は音楽が自分にとって一番やりやすい形なのかも」という発言。そして音楽の演奏形態として弾き語りというスタイルが、最も淀みなく何かを伝えることができる形なのかもしれない。歌と声と演奏と、すべてがナチュラルな状態で放たれるパフォーマンスを見ながらそう思った。
「ライブが終わった後、誰かと一緒にメシを食わないでください。コロナよりも僕が腹立つんで」
「後ろの席、誰も見えてないぞー!前の席、誰も見えてないぞー!これをアリーナでやってみたい。