新国立劇場『ガールズ&ボーイズ』真飛聖と共に挑むWキャストが増岡裕子に決定「この身体とこの声で物語を立ち上げていきたい」
東京・新国立劇場の小川絵梨子演劇芸術監督の任期最後となるシリーズ企画「いま、ここに──」の1作目『ガールズ&ボーイズ』が、2026年4月9日(木) から26日(日) まで新国立劇場 小劇場で上演される。このたび、真飛聖と共に挑むWキャストが増岡裕子に決定。2名による公演ビジュアルが公開された。
本作は、ミュージカル『マチルダ』の脚本でも知られるデニス・ケリーが2018年に書いた一人芝居。あるひとりの女性の人生を追いながら、愛、結婚、仕事、そして出会いと喪失を描き、順調に見えていた人生が予期せぬかたちで崩れていく過程を通して、現代社会に潜むさまざまな歪みを浮き彫りにする。ロンドン・ロイヤルコートシアターにてキャリー・マリガン主演で初演され、のちにブロードウェイでも上演された。
新国立劇場主催公演史上初の一人芝居となる本公演は、作品により多面的な視点と深みをもたらすべく、異なる年齢層によるWキャストで上演される。演出には、新国立劇場でも『私の一ヶ月』『誤解』で繊細な心理描写と大胆な空間設計を魅せてきた稲葉賀恵を迎える。
2025年9月より行われた公募オーディションを経て出演が決まった増岡は、「この台本を初めて拝読した際の衝撃は、今も忘れられません。国は違えど決して他人事ではなく、自分自身と深く関わりのある物語だと感じました」とコメント。「私自身、主役を務めることも一人芝居に挑むことも初めての経験です。少なからずプレッシャーも感じておりますが、この物語を皆様にお届けすることが自分の使命だと信じ、真摯に作品と向き合い、この身体とこの声で物語を立ち上げていきたいと思います」と意気込みを寄せた。
増岡の選出理由について稲葉は、「増岡さんは私が所属している劇団の先輩にあたる俳優さんですが、そのような理由とは全く別に、作品への思い、そして何より会場で魅せてくださったとても魅力的な演技造形から目が離せなくなり、共に頂きを登る戦友として選出させていただきました」と説明している。
なお「いま、ここに──」の第2弾として、『エンドゲーム』が2026年5月20日(水) から31日(日) まで(プレビュー公演:5月15日(金)・16日(土))、第3弾として、ノゾエ征爾による新作書き下ろし『りんごが落ちる』が6月13日(土) から28日(日) まで、いずれも東京・新国立劇場 小劇場で上演される。■増岡裕子 コメント全文
このたび、新国立劇場の舞台に立たせていただくという大変光栄な機会をいただき、心からうれしく思っております。
この台本を初めて拝読した際の衝撃は、今も忘れられません。
国は違えど決して他人事ではなく、自分自身と深く関わりのある物語だと感じました。
そして演出の稲葉さんとは文学座で一期違いにあたり、ご一緒させていただくのは10年ぶりなのですが、稲葉さんの細部に至るまで洗練された演出が以前からとても好きで、今回タッグを組めるのがこの上ない幸せです。
私自身、主役を務めることも一人芝居に挑むことも初めての経験です。少なからずプレッシャーも感じておりますが、この物語を皆様にお届けすることが自分の使命だと信じ、真摯に作品と向き合い、この身体とこの声で物語を立ち上げていきたいと思います。
本邦初上演、そして新国立劇場主催公演としても初の一人芝居となります。上質な舞台をお届けできるよう、精一杯努めてまいります。
劇場でお待ちしております。
■演出:稲葉賀恵 コメント全文
『ガールズ&ボーイズ』キャストオーディションに関心をお寄せくださった皆様、このたびは本当にありがとうございました。
また、一人芝居というとてもハードルの高い作品にも関わらず、大変多くの方にオーディションにご応募いただき、会いに来てくださったこと、深く感謝しております。
私はオーディションがとても好きです。演出者として、俳優の方々と出会えるチャンスは実はとても限られています。作品を通して、さまざまな出自やキャリアの皆様が集まり、作品を創る前にお互いに話したり実験する、合うか合わないかを演出者だけでなく俳優の方にも取捨選択ができる場があること。これがどれだけ私にとって、また作品にとって豊かな時間であるか、作品を立ち上げていつも思い知らされます。現に今回のオーディションでも、別の機会で一緒にものづくりをしたいと思う出会いが、たくさんありました。あらためてご参加くださった皆様に御礼申し上げます。
そして、その多くの参加者の中から今回、Wキャストのひとりとして、増岡裕子さんと作品を共に創ることに決めました。
増岡さんは私が所属している劇団の先輩にあたる俳優さんですが、そのような理由とは全く別に、作品への思い、そして何より会場で魅せてくださったとても魅力的な演技造形から目が離せなくなり、共に頂きを登る戦友として選出させていただきました。今回出会ってくださった皆様全員に敬意を表しながら、この『ガールズ&ボーイズ』という、ある女性の強かで壮絶な人生を、鮮やかに創作していきたいと思います。
どうぞご期待ください。
<公演情報>
いま、ここに──[1]
『ガールズ&ボーイズ』
作:デニス・ケリー
翻訳:小田島創志
演出:稲葉賀恵
出演:真飛聖/増岡裕子(Wキャスト)
2026年4月9日(木)~26日(日)
会場:東京・新国立劇場 小劇場
チケット一般発売日:2026年2月11日(水・祝)10:00~
公式サイト:
https://www.nntt.jac.go.jp/play/girls_and_boys/
いま、ここに──[2]
『エンドゲーム』
[フルオーディション Vol.8]
作:サミュエル・ベケット
翻訳:岡室美奈子
演出:小川絵梨子
出演:近江谷太朗、佐藤直子、田中英樹、中山求一郎
2026年5月20日(水)~31日(日)
会場:東京・新国立劇場 小劇場
※プレビュー公演:2026年5月15日(金)・16日(土)
いま、ここに──[3]
『りんごが落ちる』
作:ノゾエ征爾
演出:金澤菜乃英
2026年6月13日(土)~28日(日)
会場:東京・新国立劇場 小劇場