中山優馬「劇場でしか味わえない面白さが詰まっている」 舞台『血の婚礼』開幕
■岡本玲 コメント全文
レオナルドの妻は、静の役割を担いながら、他者をよく睨みつけている人。感情が昂ぶる瞬間を心の中でずっと抑え続けて生きていますが、時折マグマのような怒りが漏れ出る、その瞬間を大切にしたいと思っています。栗山さんがふとしたときにおっしゃる言葉の節々に、世界観が満ち溢れていて、それを自分のなかで膨らませていくのが楽しくて。そのまま表現しても単調になってしまうし、答えは一つじゃない。役者を信じて、「自分の言葉はヒントであって、正解ではないから、その場の出会いを大切に」と言われたのが印象的でした。行間に詰められた運命や土地柄、歴史を、言葉だけではなく、空気感や役者が放つ熱量で伝える『血の婚礼』は、改めて面白い戯曲です。時代が違うからこそ、自分に「今はどうなんだ」と問うような作品ですし、栗山さんによって、過去の『血の婚礼』とは、まったく違うものが生まれています。こんなに静かで熱い作品を年末にお届けできるなんて、役者冥利に尽きますし、新たな年を迎えるために、私たちが放つエネルギーを浴びに、ぜひ劇場へお越しください。
撮影:田中亜紀
<公演情報>
『血の婚礼』
作:フェデリコ・ガルシーア・ロルカ
翻案:木内宏昌
演出:栗山民也
出演:中山優馬、宮崎秋人、伊東蒼、岡本玲、
舩山智香子、柴田実奈、金井菜々、角川美紗、谷田歩、秋山菜津子
【東京公演】
日程:2024年12月7日(土)