2021年8月25日 07:00
藤原竜也が演じる天才作家「僕はいつの日か天才と呼ばれなくなりました(笑)」
撮影:奥田耕平
10代の頃から「天才役者」の名をほしいままにしてきた藤原竜也が、今度は「天才作家」を演じる。それが、8月27日(金)公開の映画『鳩の撃退法』だ。
直木賞作家の肩書きも過去の栄光。今はドライバー業で生計を立てている津田伸一(藤原)の前に次々と奇妙な事件が巻き起こる。突然消えた幸せそうな一家。転がり込んできた謎の大金。そして津田を狙う裏社会のドン。はたしてこれは嘘か、本当かーー。
第六回山田風太郎賞を受賞した佐藤正午の傑作エンターテインメントに、藤原竜也、土屋太鳳ら実力派キャストが息吹を吹き込む。時にトラジックに、時にトリッキーにその表情を変える天才役者・藤原竜也とははたして何者だろうか。
作家はちょっとズルくて、何か欠落しているところがある
――映画を観終わった瞬間、自分が観ていたものは現実だったのか、それとも嘘だったのか、わからなくなりました。
やっている側も本当に難しかったです。正直、現場で戸惑うこともあったんですよ。これは小説の中の出来事なのか、それとも現実なのかに混乱してしまって。
でもそこがタカハタ(秀太)監督の優れたところですよね。ファンタジーというか、『ピーターパン』のような童話の世界に瞬間的に観客を引き込んでくれた。