言葉を排した小野寺修二の新作『どこまでも世界』は何を描くか
撮影:鈴木穣蔵
出演、振付、演出とたくさんの舞台にさまざまな形で求められ続けている小野寺修二。現在公演中の話題作『FORTUNE』のステージングも担当している。そんな彼のホームであるカンパニーデラシネラの新作公演『どこまでも世界』が2月27日(木)から3月1日(日)までKAAT 神奈川芸術劇場 大スタジオにて上演される。
今作について小野寺は、「台詞のない舞台、をつくろうと思っています。言葉をすべて省くことで、思いも寄らない着地をしたり、複数の回答が生まれたり、やってみる程なるほどそうかと気付くことがあります」とコメントしている。
小野寺の作品は、とても雄弁だ。そこに言葉がなくとも、観る側はステージに立つ人々の動きから、表情からたくさんのものを受け取る。それに付随して緊迫感も、笑いも、そして感動も生まれる。
けれども、そこには明確な正解があるわけではない。小野寺のコメントにあるように、演じる側に複数の回答があるのと同様、観客ひとりひとりにとってもそれぞれの受け取り方がある。観る側が自分だけの答えを見つける面白さ、表現に触れることの豊かさを、カンパニーデラシネラの作品は私たちに提供してくれる。