【世界初】低強度の運動とタマネギ・ブロッコリーなどのポリフェノールを含む食品摂取の組合せで、中高齢者の筋肉の質の一部「筋柔軟性」が改善することを解明 ―サルコペニアやQOL向上の有効な対策として期待―
その結果、日々ケルセチン配糖体を摂取しながら、週3回のレジスタンス運動を組み合わせることにより、筋肉の「質」の一部である筋柔軟性が改善することが明らかになりました。
<研究の背景>
加齢とともに筋力が低下する加齢性筋肉減弱症(サルコペニア)では、筋肉の「量」のみならず「質」の低下が課題とされています。本研究チームの先行研究において、筋肉の質の指標の1つとして、筋組織中の細胞外マトリックスを反映する筋柔軟性が加齢とともに増加することが明らかになりました。さらに、中高齢者に対する低強度レジスタンス運動の効果は強度によって異なり、筋肉の量の改善には低強度のレジスタンス運動でも効果があるものの、量と質の双方の改善には、中強度のレジスタンス運動が必要であることが明らかになりました。
一方で、近年では、運動と食品摂取の組合せがサルコペニアの改善に効果的であると考えられていますが、運動と食品摂取の介入研究は少なく、エビデンスが乏しい現状です。特に、中高齢者が日常生活で実施しやすい低強度な運動と食品の組み合わせや、たんぱく質やアミノ酸以外の食品摂取効果の検証は希薄です。
そこで、低強度のレジスタンス運動とケルセチン配糖体を組合せたときの、筋肉の量や質、特に筋柔軟性に対する効果を、ランダム化二重盲検比較試験により検証することにしました。