くらし情報『熱帯写真家フォトエッセイ〜東南アジアの街角から〜』

2015年3月17日 03:17

熱帯写真家フォトエッセイ〜東南アジアの街角から〜

熱帯写真家フォトエッセイ〜東南アジアの街角から〜

ミャンマーのバガンにて(1994年頃)夕暮れの中を帰宅する少女

東南アジアの情景

バックパッカーとしてアジアを彷徨っていた時期がある。日本では忘れられた「何か」を求めていた。アジアの風景も好きだったが、旅先での出会いにより惹かれていた。

生まれて初めての海外経験はタイ。今から約25年前のことである。バンコクのカオサン通りの安宿に滞在していたとき、食事に出ようと宿を出ようとしたら、フロントの女の子に「どこに行くの?食事だったら一緒に行かない?」と声をかけられた。

近くの屋台で、カオニャオ(もち米)、ソムタム(青パパイヤのサラダ)、ナムトックムー(ブタのスパイシーサラダ)を注文した。彼女の出身であるタイ東北地方イサーンの料理だった。
彼女はうれしそうに「カオニャオは手で一口大に丸めておかずと一緒に食べるの」といい、一口サイズに丸めたカオニャオとナムトックムーを僕の口に入れてくれた。

「おいしいでしょ?」と笑顔でほほえむ彼女。僕は舌を突き刺すような辛さに涙を浮かべながら「辛いけどおいしいね」と答えるのがやっとだった。何とか食べ終えお会計をすると「あなたは日本から来たお客さんよ。今日は私が払うわ」

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