デジタルコンテンツやプロトタイピング開発を手がける 「PROTOTYPE Inc. CEO 渡辺光章氏」に取材を行い、その内容を東京都企業立地相談センターホームページにて2026年1月14日に公開しました。
■約400㎡のスタジオで“プロトタイピング”。デジタルとリアルを融合する
製品やサービス開発を実際に始める前に、簡単な機能やデザインを実装した実物大の試作品を作り、意匠や使い心地などを確認する開発手法「プロトタイピング」。本格的な製造工程の前段階で検証を重ね、フィードバックを反映しながら進めるもので、インダストリアルデザイン、ソフトウェア開発、VR、映像など多様な分野で実践されています。
本記事で取材したPROTOTYPE Inc.は、2022年にHANEDA×PiOに入居。社名どおりプロトタイピングをベースに、モノづくりやコンテンツ開発を行っています。具体的には、企画、デザイン、プログラミング、造作などに始まり、文化・商業施設やイベントのインタラクション(個体間の相互作用、コミュニケーション)、デジタルサイネージの実装や、企業の試作開発支援などを手掛けており、事業は多岐にわたります。
CEOの渡辺光章氏に、業務の内容や展望、HANEDA×PiOの魅力、この立地ならではのメリットなどを伺いました。
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PROTOTYPE Inc.CEO渡辺光章氏
■4×20mの巨大スクリーンを駆使、実物大のコンテンツを制作
PROTOTYPE Inc.が入居しているのは、HANEDA×PiOの1階。隣り合う3区画、K104・K105・K106を借りて1区画に接続した約400㎡を、天井高相当の約4m×幅約20mの巨大スクリーンを設けたデジタルスタジオ兼ギャラリー「HANGER-B」とオフィスに充てています。
なぜこのような広大な空間が必要だったのでしょうか。
「当社では、デジタル×リアルをテーマに、映像・照明機器を連動させて博物館、美術館、文化・商業施設、舞台美術などのプロジェクションマッピング、VRコンテンツの制作などを手掛けています。こうした施設で投影する映像は、多くが巨大なサイズの展示であり、それを実寸でプロトタイピングするために広大なスクリーンが設置できる場所が必要でした。ここで実際に投影してクライアントとともに映像を複数回チェックし、改善点を都度フィードバックして徐々に精度を上げていきます。やはり実物大で確認できるのは何にも代えがたい強みです」(渡辺氏)
この大スクリーンを駆使して制作した直近のプロジェクトが、男子プロバスケットボールリーグ、B.LEAGUEに所属するアルバルク東京のホームアリーナに設置する、キッズ向けデジタルコンテンツの企画設計開発です。担当した同社の野﨑氏に説明していただきました。
このコンテンツでは、タッチパネル操作でキャラクターとパーツを選択し、オリジナルのモビリティをつくります。そして、完成したモビリティが大型スクリーンへ移動し、複数のインタラクティブ演出を体験できる仕掛けです。
実際のユーザーとなる子どもたちがスムーズに操作・利用できるように、UIデザイン(理解しやすく、使いやすいユーザーインターフェース(UI)を設計すること)やパーツデザイン、プログラム制御まで一括対応しました。この広大なスタジオがあればこその仕事だったと思っています」(野﨑氏)
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天井高約4m×幅約20mの巨大スクリーンを設けた「HANGER-B」
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PROTOTYPE Inc.セールスマネジャー野﨑修一氏
■広大なモノづくり空間、好アクセス、助成金など諸条件を実現
HANEDA×PiOの3区画をぶち抜きにして作った「HANGER-B」の長所を活かした開発はほかにも。
「イタリアのランボルギーニが、創立60年となった2023年のアニバーサリーイヤーを記念して、日本で最も革新的な現代美術家IKEUCHI氏との前衛的なコラボを実現。ランボルギーニのオリジナルパーツを用いて世界でただ1台の車体となった『ウラカン STO Time Chaser_111100』と、ランボルギーニのレジェンドモデルの部品やマザーボード、配線などを複雑に組み合わせた作品『Time Gazer』を製作しました。HANGER-Bでは、車両の搬入が可能であることに加え、耐荷重が1t/㎡あることも、このプロジェクトに挑めた大きな要因です。すべての制作過程は、アーティストとエンジニアが一体となって進められました」(渡辺氏)
さらに、二輪についても世界初となるプロジェクトが進んでいます。「それが『二輪シミュレーター』の開発です。ライダーがバイクに乗っている間の動作を多様なセンサーで計測し、運動解析を行いながら開発を進めてきました。
二輪はエンジンや電装による強いノイズ、極端なバンク角が生じるなど、正確な位置・動作計測が困難です。しかし、地元大田区出身の世界的ロードレースライダー・岡谷雄太選手にテストライダーとして協力いただいて多様なデータを取得し、開発が現在、進行中です。完成後には、バイクメーカーのテスト走行への活用や、エンターテイメントの分野でバイクを操作できるリアルな体験を提供したいと考えています」(渡辺氏)
岡谷選手は、大田区の地元企業のテクニカルサポートを得て、バイクチームの「HICity Racing Aprilia(エイチアイシティ・レーシング・アプリリア)」チーム代表兼ライダーを務め、世界的な大会で活躍中。岡谷選手がPROTOTYPE Inc.のシミュレーター開発に協力した背景には、HANEDA×PiOが入るHICityの協力があったそうです。
なお、この二輪シミュレーターは、イタリア・ミラノで毎年11月上旬に開催される世界最大規模のモーターサイクルショー「EICMA 2025」に展示。大きな注目を集めることになりました。
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開発が進む二輪シミュレーター
■広大なモノづくり空間、好アクセス、助成金など諸条件を実現
最後に改めて、HANEDA×PiO入居のメリットを聞きました。
「何と言ってもクライアントに来ていただきやすい立地ですね。
プロトタイピングの開発手法では、開発現場で顧客レビューや合意形成を頻繁に行うことが必要であり、その点で、駅直結、羽田空港のほぼ隣、都心からも京急線で直結しているこの場所は理想的です」(渡辺氏)
ここに移転する前、PROTOTYPE Inc.が拠点としていたのは世田谷区の京王線新代田駅付近。1ヵ所で大きなスペースが借りられなかったため、オフィス、モノづくり、ショールームなどを近場で分散して確保していました。
「コロナ禍となり、改めて、社員皆が同じ場所に集まって、企画・設計・開発を進めていくことの大切さを実感。コロナ後を見据えて移転先を探し始めたのですが、高い天井高、広大な面積、モノづくりができる、といった条件をすべて叶えようとすると、首都圏での候補地は大田区や港区、江東区、横浜、千葉などの臨海地区、都下、埼玉、神奈川西部などがあがりました。ただ、加えて顧客アクセスを考慮すると、やはり東京都の大田区の羽田付近や港区と天王洲の倉庫街などが現実的な適地に。HANEDA×PiOは、まだ建設中だった頃に私が偶然通りかかって見つけ、大田区に問い合わせて契約しました。本当にタイミングが良かったですね」(渡辺氏)
HANEDA×PiOの立地、恵まれたモノづくり環境に加え、大田区の助成の恩恵も大きいとのこと。二輪シミュレーターのような、特殊条件が重なる環境での計測や開発に対しても理解があり、補助金を支給してもらえるのは、やはり製造業集積地の大田区ならではと感じているそうです。
「現在、HICityに入居しているモノづくり企業やビール醸造所とのコラボレーションで、“サイバー屋台”を製作しています。これは一般的な飲食専用のブースではなく、映像などの特殊効果で、ビールをより美味しそうに感じていただく演出を実装する超メカニカルな屋台です。当社のテクノロジーだけではなく、HICity、HANEDA×PiOのプレゼンス向上にもひと役買えると思っています」
HANEDA×PiOの恵まれた環境、入居企業との交流やコラボレーション、大田区のバックアップなどが奏功して、より充実したモノづくりに取り組む、PROTOTYPE Inc.。これからも驚きのプロダクトを創り出すことに期待できそうです。
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誰も見たことがないコンテンツが次々に生まれる場所として、期待が高まる
■企業概要
会社名:PROTOTYPE Inc.
所在地:東京都大田区羽田空港1丁目1番4号 羽田イノベーションシティ ZONE-K 104・105・106
代表者:CEO渡辺光章
設立:2004年(平成16年)2月20日
事業内容:インタラクションデザイン、メカ制御、プロトタイピング、インスタレーション企画・制作、コンピューターソフトの企画・開発・コンサルティング業務、公共施設及び商業施設、展示会等においての空間設計及び映像製作、オリジナルプロダクツ開発・製作、シミュレーター開発、コックピットデザイン・制作
ホームページ:https://www.proto-type.jp/
■情報配信元
東京都企業立地相談センター
ホームページ:https://www.ilsc.metro.tokyo.lg.jp/
■東京都企業立地相談センターとは
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その他、都や都内区市町村の公的物件情報や支援制度もご案内しております。
(東京都企業立地相談センターは東京都産業労働局が運営しております。
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■記事掲載
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