【夏の甲子園】2回戦・松商学園 - 三重 両校の地方大会戦績を紹介
第108回全国高校野球選手権大会は8月11日、阪神甲子園球場で第7日を迎える。
午後6時30分から2回戦第4試合として松商学園(長野) - 三重(三重)が行われる。
両校はともに2回戦からの登場で、この試合が大会初戦となる。大会は5日に開幕しているため、松商学園は長野大会の決勝から中16日、三重は三重大会の決勝から中14日を空けてこの舞台に立つ。
長野大会6試合で70得点の松商学園と、三重大会5試合で51得点の三重。ともに打ち勝ってきたチーム同士だが、投手陣の状態には差がある。
試合を前に、両校の戦いぶりを振り返る。
◆松商学園(長野)― 決勝は3年生右腕が109球完投、8回1死まで無安打
長野大会の戦績
2回戦(7月5日) 松商学園 20-0 下諏訪向陽※5回コールド
3回戦(7月11日) 松商学園 19-0 長野俊英※7回コールド
4回戦(7月15日) 松商学園 10-0 上伊那農※5回コールド
準々決勝(7月19日) 松商学園 6-5 長野日大※延長10回タイブレーク
準決勝(7月22日) 松商学園 11-6 佐久長聖
決勝(7月25日) 松商学園 4-1 東京都市大塩尻
【通算】6戦全勝 70得点・12失点(1試合平均11.7得点・2.0失点)
序盤3試合は49得点無失点、勝負どころは準々決勝から
序盤の数字は割り引いて見る必要がある。
準々決勝の長野日大戦は9回に追いつかれて5-5で延長へ。10回裏、2番・久保田悟(3年)の犠打に相手の失策が絡んでサヨナラ勝ちを収めた。
準決勝の佐久長聖戦は3-3から5回に一挙4点。7番・平沢陸(3年)の適時打、8番・花沢玲希(3年)の犠飛、1番・山口史晃(3年)の適時三塁打で勝ち越し、9回に5番・漆戸大晟(3年)の3ランで突き放した。
打線の中心は遊撃の漆戸で、長野大会は打率.591、10打点、2本塁打。山口も10打点、4番・清水陽真(3年)が9打点、3番に入る1年生・新海湊斗も9打点を挙げた。
エースは熱中症で離脱、決勝を投げ切ったのは背番号18
投手陣は大会中に事情が変わった。背番号1のエース右腕・黒岩柊斗(3年)は、2回戦で3回1/3、3回戦で6回、準々決勝で6回を投げていずれも試合をつくったが、準決勝を前に熱中症となり、以降は登板を回避している。左腕・神谷脩斗(2年)も大会中に左腓骨を骨折した。
その空白を埋めたのが背番号18の右腕・竹内篤希(3年)だ。準々決勝で1回2/3、準決勝で3回を無失点に抑えると、決勝では先発して9回3安打1失点・109球で完投。8回1死まで無安打に封じた。
背番号13の左腕・佐藤大牙(2年)も4回戦で5回無失点と先発をこなし、継投の一角を担っている。
最後の実戦から2週間以上が空くため、1週間500球の投球数制限は制約にならない。黒岩が万全なら誰が先発でもおかしくないが、直近の内容だけを見れば竹内が最も計算できる状態にある。
◆三重(三重)― 春はセンバツで大阪桐蔭と延長10回、5試合51得点で頂点へ
三重大会の戦績
2回戦(7月18日) 三重 12-2 津東※6回コールド
3回戦(7月21日) 三重 13-3 高田※7回コールド
準々決勝(7月23日) 三重 7-0 いなべ総合※8回コールド
準決勝(7月25日) 三重 7-6 津商
決勝(7月27日) 三重 12-3 近大高専
【通算】5戦全勝 51得点・14失点(1試合平均10.2得点・2.8失点)
5点差をひっくり返した準決勝
大会の山は準決勝の津商戦だった。2回に4点、3回に1点を失って0-5。ここから3回裏に押し出し四球と6番・河口遼(2年)の適時打で3点を返し、4回には9番の大西新史主将(3年)の適時二塁打と2番・前野元佑(2年)の犠飛で同点。5回に併殺打の間に勝ち越し、7回にも1点を加えて7-6で振り切った。今春の三重大会で三重を完封していた相手を、打ち返しての逆転だった。
決勝は初回に一挙5点を挙げ、5-3に迫られた後は5回に前野のソロ、7回に4番・福田篤史(3年)の適時打から6点を加えて12-3。全員安打の14安打だった。福田は打率.462で8打点、指名打者の7番・東堂竜馬(3年)は打率.500で9打点と、長打力のある打者が下位まで並ぶ。
今春の第98回選抜高校野球大会では2回戦で大阪桐蔭と延長10回タイブレークまで戦い、8回に大西の犠飛で追いついた末に5-6で敗れている。夏の出場は4年ぶり15回目、春夏連続は2014年夏に準優勝して以来12年ぶりとなる。
3本柱の一角・古川は右肘を痛め、登板は流動的
投手は完全な継投型で、左腕・上田晴優(3年)が15回、右腕・古川稟久(3年)が11回2/3、左腕・吉井海翔(3年)が9回1/3を分け合った。上田が準々決勝で5回無失点、吉井が準決勝で5回1失点、古川が準々決勝と決勝でともに無失点と、試合ごとに先発と役割を替えている。
懸念は最速149キロの古川だ。
打力はほぼ互角だが、走者を進める形が違う。松商学園は犠打22個・盗塁10個と細かく動き、三重は本塁打4本に対し盗塁3個と、長打で押すタイプだ。
投手は差がはっきりする。松商学園は大会中にエースが熱中症、左腕が骨折で離脱と台所事情が変わったが、決勝を109球で投げ切った竹内という計算できる駒が残った。三重は3人を均等に使う設計そのものが強みだったところに、その一角が本調子ではない。
2回戦の見どころ
両校は定期的に練習試合を組んでおり、今年6月にも対戦して5-5で引き分けている。松商学園の松宗勝監督は打たれることを前提に、1イニング1点までに抑えてビッグイニングをつくらせない戦い方を挙げる。三重の沖田展男監督は打ち勝つ野球を掲げてきた。
互いの手の内が読める分、序盤の入り方と継投の判断が早い段階で問われる。
三重にとっては、古川抜きでも勝ち切れるかを試される一戦になる。上田と吉井はともに三重大会で先発と救援の両方をこなしており、駒が足りないわけではない。
三重は今春も阪神甲子園球場で戦っており、球場への慣れでは引けを取らない。ナイターの第4試合という条件も含め、どちらが早く試合の入りを合わせられるか。
この試合の勝者は、3回戦第3試合に進む。
なお「バーチャル高校野球」では、開会式と開幕試合から決勝までの全48試合を無料ライブ配信する。
午後6時30分から2回戦第4試合として松商学園(長野) - 三重(三重)が行われる。
両校はともに2回戦からの登場で、この試合が大会初戦となる。大会は5日に開幕しているため、松商学園は長野大会の決勝から中16日、三重は三重大会の決勝から中14日を空けてこの舞台に立つ。
長野大会6試合で70得点の松商学園と、三重大会5試合で51得点の三重。ともに打ち勝ってきたチーム同士だが、投手陣の状態には差がある。
試合を前に、両校の戦いぶりを振り返る。
◆松商学園(長野)― 決勝は3年生右腕が109球完投、8回1死まで無安打
長野大会の戦績
2回戦(7月5日) 松商学園 20-0 下諏訪向陽※5回コールド
3回戦(7月11日) 松商学園 19-0 長野俊英※7回コールド
4回戦(7月15日) 松商学園 10-0 上伊那農※5回コールド
準々決勝(7月19日) 松商学園 6-5 長野日大※延長10回タイブレーク
準決勝(7月22日) 松商学園 11-6 佐久長聖
決勝(7月25日) 松商学園 4-1 東京都市大塩尻
【通算】6戦全勝 70得点・12失点(1試合平均11.7得点・2.0失点)
序盤3試合は49得点無失点、勝負どころは準々決勝から
序盤の数字は割り引いて見る必要がある。
2回戦から4回戦までの3試合はいずれもコールドで49得点無失点。競ったのは準々決勝からの3試合で、この区間に絞れば21得点・12失点になる。
準々決勝の長野日大戦は9回に追いつかれて5-5で延長へ。10回裏、2番・久保田悟(3年)の犠打に相手の失策が絡んでサヨナラ勝ちを収めた。
準決勝の佐久長聖戦は3-3から5回に一挙4点。7番・平沢陸(3年)の適時打、8番・花沢玲希(3年)の犠飛、1番・山口史晃(3年)の適時三塁打で勝ち越し、9回に5番・漆戸大晟(3年)の3ランで突き放した。
打線の中心は遊撃の漆戸で、長野大会は打率.591、10打点、2本塁打。山口も10打点、4番・清水陽真(3年)が9打点、3番に入る1年生・新海湊斗も9打点を挙げた。
打率.450以上が3人並ぶ一方、犠打は22個。強打だけのチームではない。
エースは熱中症で離脱、決勝を投げ切ったのは背番号18
投手陣は大会中に事情が変わった。背番号1のエース右腕・黒岩柊斗(3年)は、2回戦で3回1/3、3回戦で6回、準々決勝で6回を投げていずれも試合をつくったが、準決勝を前に熱中症となり、以降は登板を回避している。左腕・神谷脩斗(2年)も大会中に左腓骨を骨折した。
その空白を埋めたのが背番号18の右腕・竹内篤希(3年)だ。準々決勝で1回2/3、準決勝で3回を無失点に抑えると、決勝では先発して9回3安打1失点・109球で完投。8回1死まで無安打に封じた。
背番号13の左腕・佐藤大牙(2年)も4回戦で5回無失点と先発をこなし、継投の一角を担っている。
最後の実戦から2週間以上が空くため、1週間500球の投球数制限は制約にならない。黒岩が万全なら誰が先発でもおかしくないが、直近の内容だけを見れば竹内が最も計算できる状態にある。
◆三重(三重)― 春はセンバツで大阪桐蔭と延長10回、5試合51得点で頂点へ
三重大会の戦績
2回戦(7月18日) 三重 12-2 津東※6回コールド
3回戦(7月21日) 三重 13-3 高田※7回コールド
準々決勝(7月23日) 三重 7-0 いなべ総合※8回コールド
準決勝(7月25日) 三重 7-6 津商
決勝(7月27日) 三重 12-3 近大高専
【通算】5戦全勝 51得点・14失点(1試合平均10.2得点・2.8失点)
5点差をひっくり返した準決勝
大会の山は準決勝の津商戦だった。2回に4点、3回に1点を失って0-5。ここから3回裏に押し出し四球と6番・河口遼(2年)の適時打で3点を返し、4回には9番の大西新史主将(3年)の適時二塁打と2番・前野元佑(2年)の犠飛で同点。5回に併殺打の間に勝ち越し、7回にも1点を加えて7-6で振り切った。今春の三重大会で三重を完封していた相手を、打ち返しての逆転だった。
決勝は初回に一挙5点を挙げ、5-3に迫られた後は5回に前野のソロ、7回に4番・福田篤史(3年)の適時打から6点を加えて12-3。全員安打の14安打だった。福田は打率.462で8打点、指名打者の7番・東堂竜馬(3年)は打率.500で9打点と、長打力のある打者が下位まで並ぶ。
今春の第98回選抜高校野球大会では2回戦で大阪桐蔭と延長10回タイブレークまで戦い、8回に大西の犠飛で追いついた末に5-6で敗れている。夏の出場は4年ぶり15回目、春夏連続は2014年夏に準優勝して以来12年ぶりとなる。
3本柱の一角・古川は右肘を痛め、登板は流動的
投手は完全な継投型で、左腕・上田晴優(3年)が15回、右腕・古川稟久(3年)が11回2/3、左腕・吉井海翔(3年)が9回1/3を分け合った。上田が準々決勝で5回無失点、吉井が準決勝で5回1失点、古川が準々決勝と決勝でともに無失点と、試合ごとに先発と役割を替えている。
懸念は最速149キロの古川だ。
決勝で2番手として5回から登板し、4回2/3を1安打無失点に抑えていたが、9回2死で肘の違和感を訴えて緊急降板した。診断は右腕の肘付近の肉離れで、全治は2週間前後(媒体により2週間〜1カ月)と報じられている。関節に異常はなく選手登録は済ませており、三重高の西川明部長は、本人が初戦へ調整中としたうえで、無理な状態では投げさせない考えを示している。
打力はほぼ互角だが、走者を進める形が違う。松商学園は犠打22個・盗塁10個と細かく動き、三重は本塁打4本に対し盗塁3個と、長打で押すタイプだ。
投手は差がはっきりする。松商学園は大会中にエースが熱中症、左腕が骨折で離脱と台所事情が変わったが、決勝を109球で投げ切った竹内という計算できる駒が残った。三重は3人を均等に使う設計そのものが強みだったところに、その一角が本調子ではない。
両校とも前回登板から2週間以上空いており、投球数制限は制約にならない。効いてくるのは球数ではなく、実戦から離れた間の感覚の戻り具合のほうだ。
2回戦の見どころ
両校は定期的に練習試合を組んでおり、今年6月にも対戦して5-5で引き分けている。松商学園の松宗勝監督は打たれることを前提に、1イニング1点までに抑えてビッグイニングをつくらせない戦い方を挙げる。三重の沖田展男監督は打ち勝つ野球を掲げてきた。
互いの手の内が読める分、序盤の入り方と継投の判断が早い段階で問われる。
三重にとっては、古川抜きでも勝ち切れるかを試される一戦になる。上田と吉井はともに三重大会で先発と救援の両方をこなしており、駒が足りないわけではない。
ただ149キロ右腕が使えるかどうかで、相手打者からの見え方は変わる。1試合平均11.7得点の松商学園打線に序盤で主導権を握られれば、三重は早い回から継投を強いられる。松商学園は昨夏も第7日まで試合がない日程で、久保田主将は宿舎での過ごし方を含めてその経験を生かすと話している。
三重は今春も阪神甲子園球場で戦っており、球場への慣れでは引けを取らない。ナイターの第4試合という条件も含め、どちらが早く試合の入りを合わせられるか。
この試合の勝者は、3回戦第3試合に進む。
なお「バーチャル高校野球」では、開会式と開幕試合から決勝までの全48試合を無料ライブ配信する。