【夏の甲子園】2回戦・神村学園 - 佐野日大 両校の勝ち上がりを振り返る
第108回全国高校野球選手権大会は8月12日、阪神甲子園球場で第8日を迎える。16時から2回戦第3試合として、神村学園(鹿児島) - 佐野日大(栃木)が行われる。
両校とも初戦は大会第2日の8月6日。神村学園は先頭打者本塁打を浴びながら東筑(福岡)を5-1と逆転し、佐野日大は聖隷クリストファー(静岡)との投手戦を1-0で制した。同じ日に勝ち、同じ中5日でこの試合を迎える。違うのはエースの使い方で、神村学園の龍頭汰樹(3年)が救援で57球にとどめたのに対し、佐野日大の鈴木有(3年)は102球を投げ切って完封している。
ともに春夏連続出場の実力校同士、試合を前に両校の戦いぶりを振り返る。
◆神村学園(鹿児島)― 3回に中軸3連打、エースは57球で締めた
大会成績
1回戦(8月6日・第1試合) 神村学園 5-1 東筑
先頭打者本塁打で始まった九州対決
相手の東筑は福岡大会を勝ち抜いた県内有数の公立進学校。
先に動いたのは東筑だった。初回、1番・平山護(3年)が左翼席へ先頭打者本塁打を放って先制する。神村学園の反撃は3回。1死から3番・梶山侑孜(3年)、4番・川崎怜央(3年)、5番・森友樹(2年)が3連打を浴びせ、森友の左前適時打で同点に追いついた。続く川本羚豪(2年)の四球で満塁とすると、ここで深町が制球を乱す。この回3つの暴投が絡んで2点が転がり込み、一気に逆転した。
5回は川本の左翼二塁打と国分聖斗(3年)の中前打でつくった好機に、秀島蒼空(2年)の二ゴロの間で1点。
松永77球、龍頭57球の分業
先発は背番号10の2年生左腕・松永遥斗。初回に本塁打を浴びた後は粘り、4回1/3を77球で被安打2、5奪三振、1失点。ただし四球が4つと制球に苦しみ、5回1死一、二塁の場面でエース右腕・龍頭汰樹(3年)にマウンドを譲った。
龍頭は登板直後のピンチを空振り三振と右飛で切り抜けると、そこから9回まで無失点。4回2/3を57球、被安打2、四死球ゼロで締めくくった。身長170センチ、体重63キロ、直球は最速135キロという体格・球速ではないが、制球とテンポで打者のタイミングを外し続けるタイプだ。
チームは4年連続9回目の夏の甲子園出場。小田大介監督が率い、鹿児島大会は5試合で50得点3失点と、投打とも数字が突出していた。
◆佐野日大(栃木)― 102球の完封、25年ぶりの夏1勝
大会成績
1回戦(8月6日・第2試合) 佐野日大 1-0 聖隷クリストファー
7回、2死からの1点を守り抜いた
相手の聖隷クリストファーは2年連続2回目の出場で、最速150キロ左腕・高部陸(3年)が看板。佐野日大は麦倉洋一監督の指示のもと徹底した待球で球数を増やしにかかったが、それでも5回2死まで無安打に封じられた。
均衡が破れたのは7回。7番・荒川結衿(2年)の安打などで2死一、二塁とし、8番・高橋丞(3年)が中堅へ飛球を打ち上げる。
鈴木有、無四球で今大会一番乗りの完封
エース右腕・鈴木有(3年)は9回102球、被安打6、7奪三振、無四球で完封。直球は140キロ前後だが、スライダーをコースに集め、ゴロアウトを13個積み上げた。今大会の完封第1号である。
麦倉監督はこの学校の投手として平成元年(1989年)の夏の甲子園に出場し、開幕試合で1-0の完封勝利を挙げた人物。
栃木大会は5試合を戦って47得点4失点。決勝までの4試合を無失点で勝ち上がり、国学院栃木との決勝は9回2死から追いつくと、延長10回タイブレークで2年生遊撃手・小島颯人が逆転サヨナラ2ランを放って5-4とした。守り抜いて少ない好機をものにする、麦倉監督の言う「守って守って守って」の野球が地方大会から一貫している。
初戦の勝ち方が正反対だった。神村学園は11安打で5点を取り、エースを5回途中から57球だけ使って中5日を迎える。
違いが出るとすれば、控え投手をどこまで計算できるかだろう。
神村学園は松永が4回1/3を投げられることを初戦で確認しており、龍頭を後ろに回す形も、最初から立てる形も選べる。
佐野日大は鈴木ひとりで9回を賄っており、2番手の使い方は未知数のままだ。
2回戦の見どころ
第一に、両エースの投げ合いになるかどうか。龍頭は最速135キロ、鈴木は140キロ前後と、いずれも球速で押すタイプではなく、制球と緩急で打たせて取る。龍頭は初戦で四死球ゼロ、鈴木は無四球。
第二に、神村学園がどこまで先発を引っ張るか。初戦は松永を先発させて龍頭をベンチスタートさせた。この起用が2回戦以降を見据えたものだとすれば、球数を残した龍頭をどの場面で投入するかが試合の分岐点になる。逆に佐野日大は、鈴木を早い回から使い切る覚悟で来るはずだ。
第三に、打線の状態差。神村学園は初戦で中軸が3連打を含む11安打を放ち、田中の本塁打も出た。対する佐野日大は高部を6安打に抑え込まれ、決勝点も敵失によるもので、打線としては振れているとは言い難い。それでも栃木大会では5試合47得点を挙げており、好投手から点が取れないだけとも言える。DH制を採る両校の下位打線が、少ない好機をどう拾うかが分かれ目になる。
勝者は8月15日か16日の3回戦へ進み、同じブロックの東海大甲府 - 健大高崎(第8日第4試合)の勝者と対戦する。
なお「バーチャル高校野球」では、開会式と開幕試合から決勝までの全48試合を無料ライブ配信する。
両校とも初戦は大会第2日の8月6日。神村学園は先頭打者本塁打を浴びながら東筑(福岡)を5-1と逆転し、佐野日大は聖隷クリストファー(静岡)との投手戦を1-0で制した。同じ日に勝ち、同じ中5日でこの試合を迎える。違うのはエースの使い方で、神村学園の龍頭汰樹(3年)が救援で57球にとどめたのに対し、佐野日大の鈴木有(3年)は102球を投げ切って完封している。
ともに春夏連続出場の実力校同士、試合を前に両校の戦いぶりを振り返る。
◆神村学園(鹿児島)― 3回に中軸3連打、エースは57球で締めた
大会成績
1回戦(8月6日・第1試合) 神村学園 5-1 東筑
先頭打者本塁打で始まった九州対決
相手の東筑は福岡大会を勝ち抜いた県内有数の公立進学校。
プロのスカウトも視察する185センチの右腕・深町光生(3年)を擁し、夏の1勝をうかがう存在だった。
先に動いたのは東筑だった。初回、1番・平山護(3年)が左翼席へ先頭打者本塁打を放って先制する。神村学園の反撃は3回。1死から3番・梶山侑孜(3年)、4番・川崎怜央(3年)、5番・森友樹(2年)が3連打を浴びせ、森友の左前適時打で同点に追いついた。続く川本羚豪(2年)の四球で満塁とすると、ここで深町が制球を乱す。この回3つの暴投が絡んで2点が転がり込み、一気に逆転した。
5回は川本の左翼二塁打と国分聖斗(3年)の中前打でつくった好機に、秀島蒼空(2年)の二ゴロの間で1点。
6回には田中翔大(3年)の右越えソロが出て5-1とした。打線は11安打、梶山は主将として3安打をマークしている。
松永77球、龍頭57球の分業
先発は背番号10の2年生左腕・松永遥斗。初回に本塁打を浴びた後は粘り、4回1/3を77球で被安打2、5奪三振、1失点。ただし四球が4つと制球に苦しみ、5回1死一、二塁の場面でエース右腕・龍頭汰樹(3年)にマウンドを譲った。
龍頭は登板直後のピンチを空振り三振と右飛で切り抜けると、そこから9回まで無失点。4回2/3を57球、被安打2、四死球ゼロで締めくくった。身長170センチ、体重63キロ、直球は最速135キロという体格・球速ではないが、制球とテンポで打者のタイミングを外し続けるタイプだ。
今春の選抜大会では1回戦で横浜を6安打完封し、2回戦の智弁学園戦も延長10回2失点完投。鹿児島大会でも4試合21回2/3を無失点に抑え、決勝では鹿児島実を2安打完封している。
チームは4年連続9回目の夏の甲子園出場。小田大介監督が率い、鹿児島大会は5試合で50得点3失点と、投打とも数字が突出していた。
◆佐野日大(栃木)― 102球の完封、25年ぶりの夏1勝
大会成績
1回戦(8月6日・第2試合) 佐野日大 1-0 聖隷クリストファー
7回、2死からの1点を守り抜いた
相手の聖隷クリストファーは2年連続2回目の出場で、最速150キロ左腕・高部陸(3年)が看板。佐野日大は麦倉洋一監督の指示のもと徹底した待球で球数を増やしにかかったが、それでも5回2死まで無安打に封じられた。
均衡が破れたのは7回。7番・荒川結衿(2年)の安打などで2死一、二塁とし、8番・高橋丞(3年)が中堅へ飛球を打ち上げる。
これを相手中堅手が落球し、その間に走者が生還して1点。この試合の全得点となった。8回にも1死二塁のピンチを背負ったが、後続を断って逃げ切っている。佐野日大は6安打で1得点、高部は9回1失点10奪三振、自責点ゼロだった。
鈴木有、無四球で今大会一番乗りの完封
エース右腕・鈴木有(3年)は9回102球、被安打6、7奪三振、無四球で完封。直球は140キロ前後だが、スライダーをコースに集め、ゴロアウトを13個積み上げた。今大会の完封第1号である。
麦倉監督はこの学校の投手として平成元年(1989年)の夏の甲子園に出場し、開幕試合で1-0の完封勝利を挙げた人物。
教え子が同じスコアで完封したことになる。チームの夏の甲子園勝利は25年ぶりで、出場自体も2010年以来16年ぶり7回目。今春の選抜大会は1回戦で敗れており、夏はその借りを返す形の初戦突破となった。
栃木大会は5試合を戦って47得点4失点。決勝までの4試合を無失点で勝ち上がり、国学院栃木との決勝は9回2死から追いつくと、延長10回タイブレークで2年生遊撃手・小島颯人が逆転サヨナラ2ランを放って5-4とした。守り抜いて少ない好機をものにする、麦倉監督の言う「守って守って守って」の野球が地方大会から一貫している。
佐野日大は6安打1得点、エースが102球を投げ切ってなお中5日。どちらも登板間隔と1週間500球の制限には十分な余裕があり、両エースが先発できる状態でこの試合に入る。
違いが出るとすれば、控え投手をどこまで計算できるかだろう。
神村学園は松永が4回1/3を投げられることを初戦で確認しており、龍頭を後ろに回す形も、最初から立てる形も選べる。
佐野日大は鈴木ひとりで9回を賄っており、2番手の使い方は未知数のままだ。
2回戦の見どころ
第一に、両エースの投げ合いになるかどうか。龍頭は最速135キロ、鈴木は140キロ前後と、いずれも球速で押すタイプではなく、制球と緩急で打たせて取る。龍頭は初戦で四死球ゼロ、鈴木は無四球。
四球でリズムを崩さない者同士がぶつかれば、試合時間の短いロースコアに向かう可能性が高い。
第二に、神村学園がどこまで先発を引っ張るか。初戦は松永を先発させて龍頭をベンチスタートさせた。この起用が2回戦以降を見据えたものだとすれば、球数を残した龍頭をどの場面で投入するかが試合の分岐点になる。逆に佐野日大は、鈴木を早い回から使い切る覚悟で来るはずだ。
第三に、打線の状態差。神村学園は初戦で中軸が3連打を含む11安打を放ち、田中の本塁打も出た。対する佐野日大は高部を6安打に抑え込まれ、決勝点も敵失によるもので、打線としては振れているとは言い難い。それでも栃木大会では5試合47得点を挙げており、好投手から点が取れないだけとも言える。DH制を採る両校の下位打線が、少ない好機をどう拾うかが分かれ目になる。
勝者は8月15日か16日の3回戦へ進み、同じブロックの東海大甲府 - 健大高崎(第8日第4試合)の勝者と対戦する。
なお「バーチャル高校野球」では、開会式と開幕試合から決勝までの全48試合を無料ライブ配信する。