【夏の甲子園】2回戦・大分商 - 英明 初戦突破の勢いそのままに打ち合いか投手戦か

第108回全国高校野球選手権大会は8月13日、阪神甲子園球場で第9日を迎える。
午後6時30分から2回戦第3試合として大分商(大分) - 英明(香川)が行われる。

継投で日本文理を6-4で振り切り、29年ぶりに夏の甲子園で白星を挙げた大分商と、エース左腕が104球で完投し、優勝候補の一角・関東第一を4-1で下した英明。両校ともに8日の初戦を勝ち上がり、中4日で臨む点は同じだ。
焦点は投手の使い方にある。救援に控える最速152キロ・平田玲翔(3年)をどこで送り出すのか、そして春夏を通じて安定感を増した英明の完投型エース・冨岡琥希(3年)が、大分商の強打をどう抑えるのか。試合を前に、両校の戦いぶりを振り返る。

◆大分商(大分)― エースは救援待機、中盤の集中打で29年ぶりの白星

大会成績
1回戦(8月8日・第3試合) 大分商 6-4 日本文理

プロ注目右腕を「火消し」に回す継投で先手を奪い返した

相手の日本文理(新潟)は、粘りの打線を身上とする4年ぶり13度目の出場校。
大分商は大分大会と同じく米田泰志(3年)が先発したが、初回と3回に失点して2点を追う展開になった。

流れを引き戻したのは投手交代だった。2点ビハインドの3回無死一、二塁のピンチ、5番・臼木を迎えた場面で、背番号1のエース右腕・平田玲翔(3年)がマウンドへ。初球にいきなり150キロを計測し、自己最速に迫る151キロも織り交ぜて、無死のピンチを併殺打と二ゴロで断ち切った。この救援に打線が呼応する。5回に菅原の適時打などで2点を返して追いつくと、6回には杉山と萱島夏空(3年)の連続適時打で2点を勝ち越し。7回にも捕手・伊東大雅(3年)の適時打で突き放した。

平田は3回途中から救援して最後まで投げ切り、9回2死からの空振り三振で試合を締めた。
終盤はスライダーを効果的に使って日本文理の反撃をかわし、大分商に29年ぶりとなる夏の甲子園での白星をもたらした。

救援で球数に余裕、中4日で「二刀流エース」は万全

大分商は控え投手を先発させ、終盤に平田が締める「リフレッシュ継投」で大分大会を勝ち上がってきた。初戦もこの形で、平田は救援での登板だったため球数に余裕がある。中4日をはさむ今回は回復面の不安もない。平田は「2番・DH」で打線にも入る二刀流で、今大会から導入されたDH制を生かした起用も見どころになる。米田が先発し平田につなぐいつもの形でいくのか、それとも強敵を相手に平田を早めに投入するのか。那賀誠監督の判断が試合の分岐点になりそうだ。

◆英明(香川)― エースが104球完投、7回の一撃で優勝候補を退けた

大会成績
1回戦(8月8日・第4試合) 英明 4-1 関東第一

無四死球104球、尻上がりの完投で強力打線を封じた

昨秋の明治神宮大会4強、今春の選抜大会8強と全国区の実績を積んできた英明。
初戦の相手は優勝候補にも挙げられた関東第一(東東京)で、序盤は苦しい立ち上がりだった。1回に犠牲フライで1点を先制されたが、これはエース左腕・冨岡琥希(3年)自らの失策が絡んだもので自責点はつかなかった。

英明は3回、松本一心(3年)の三ゴロが相手の失策を誘って同点に追いつく。その後は両校無得点の投手戦となったが、7回に1死満塁の好機をつくると、3番・松原蒼真(3年)が中堅手の頭上を越える走者一掃の二塁打を放って3点を勝ち越した。冨岡は2回以降まったく得点を許さず、散発3安打1失点(自責0)、与四死球0の104球で完投。2011年以来15年ぶりとなる夏の甲子園での勝利を手繰り寄せた。

完投明けでも中4日、大舞台で場数を踏んだ左腕

冨岡は最速144キロの左腕で、緩急とチェンジアップを軸にした制球力が持ち味。104球を投げた完投明けだが、中4日をはさむため回復時間は十分に確保できる。
香川大会決勝・高松商戦(7-5)では延長10回タイブレークを180球で一人で投げ切っており、スタミナには裏付けがある。
今春の選抜大会準々決勝では優勝した大阪桐蔭を相手に8回4失点を喫し、その悔しさを糧に一球の重みを磨いてきた。英明には最速140キロの右腕・松本もおり、二枚看板で試合を組み立てられる。県大会の準決勝・決勝をいずれもタイブレークで制した勝負強さも、接戦になったときの武器になる。

【夏の甲子園】2回戦・大分商 - 英明 初戦突破の勢いそのままに打ち合いか投手戦か

両校が最も対照的なのは、エースの使い方だ。
大分商の平田は救援で球数を抑えており、次戦でも早めの投入から長いイニングまで幅広く対応できる。
対する英明の冨岡は104球の完投を経ての登板になるが、中4日あれば1週間500球の制限を意識する場面ではない。むしろ180球完投の経験を持つ冨岡の粘りと、152キロを操る平田の勢いが、どこでぶつかるかが見どころになる。
勝ち方の質も異なる。大分商は5〜7回に集中打で6点を奪った打線の勢いが持ち味で、英明は接戦をものにする勝負強さで勝ち上がってきた。打ち勝つ大分商か、締めて勝つ英明か。噛み合えば締まった一戦になる。

2回戦の見どころ

最大の焦点は投手起用だ。大分商が平田をどのタイミングで送り出すか。米田先発から平田へつなぐいつもの継投でいくのか、優勝候補を破ってきた英明打線を前に、早い回から152キロ右腕を投入するのか。
一方の英明は、テンポよく打たせて取る冨岡が、中盤に集中打を見せた大分商打線をどうさばくかが鍵になる。
散発3安打に封じた制球力が、大分商の勢いのある打線にも通用するかどうか。

DH制の使い方にも注目したい。大分商は平田を「2番・DH」に据えて打線でも投手陣でも軸に置く二刀流起用を選んでおり、DH制が導入された今大会ならではの戦い方になっている。投打の両輪をどう機能させるかが、そのまま大分商の生命線になる。

両校とも中4日で条件は互角。勝った側は3回戦(第11日以降)に駒を進める。

なお「バーチャル高校野球」では、開会式と開幕試合から決勝までの全48試合を無料ライブ配信する。

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