【夏の甲子園】2回戦・東海大甲府 - 健大高崎 両校の勝ち上がりを振り返る

第108回全国高校野球選手権大会は8月12日、阪神甲子園球場で第8日を迎える。午後6時30分から2回戦第4試合として東海大甲府(山梨) - 健大高崎(群馬)が行われる。
※この試合は台風接近による天候不良が見込まれるため、8月13日に順延となりました。(8月12日 9時10分時点)

両校とも初戦は8月7日の第3日。東海大甲府が第1試合で鶴岡東(山形)を5-2、健大高崎が第2試合で八幡商(滋賀)を7-1で下した。
同じ日に戦い、同じ中4日で再びこの舞台に立つ。条件がそろっているぶん、違いが出るのはマウンドの使い方だ。東海大甲府は2投手の継投で9イニングを分け合い、健大高崎は2年生エースが117球を1人で投げ抜いた。
試合を前に、両校の戦いぶりを振り返る。

◆東海大甲府(山梨)― 初回に3点、11年ぶりの白星を継投で守り切った

大会成績
1回戦(8月7日・第1試合) 東海大甲府 5-2 鶴岡東

初回、打者8人で4安打を集めた

相手の鶴岡東は夏の初戦を3連勝中で、この日も2年生左腕を先発に立てて入ってきた。試合を決めたのは、その立ち上がりだった。

先頭・大沢風汰(3年)の遊撃内野安打と水野誠生(3年)の犠打で1死二塁とすると、3番・田中三士郎(3年)が左翼線へ適時二塁打を放って先制。続く4番・伊沢拓真(3年)も左前へ運んで2点目を挙げた。なおも田中楓真(3年)の右前打と土肥綾太郎(3年)の四球で満塁とし、高田尋斗(2年)の左犠飛でこの回3点目。初回だけで打者8人が立ち、4本の安打を集中させた。

鶴岡東が4回に高橋太陽の右前適時打、5回に押井佑斗の左前適時打で1点差に詰め寄ると、東海大甲府はその裏、1死一、三塁から伊沢がこの日2本目の適時打を放って突き放す。
7回にも5番・田中楓真の中前適時打で1点を加えた。3番から5番までのクリーンアップ3人で8安打4打点。チーム12安打の3分の2をこの3人が占めた。

熊谷81球、村尾63球―エースを後ろに置いた

投手起用は明快だった。先発は背番号10の左腕・熊谷晄(3年)。5回を81球、6安打2失点にまとめて試合をつくると、6回から背番号1のエース右腕・村尾竜弦(3年)が登板し、4回を63球、2安打無失点、5奪三振で締めた。鶴岡東は6回以降、村尾の前に走者を三塁へ進めることすらできなかった。2024年に就任した仲沢広基監督(39)は、巨人と楽天でプレーした元プロ野球選手。
就任3年目で阪神甲子園球場での初采配となり、初勝利をつかんだ。東海大甲府がこの舞台で勝ったのは、3回戦まで進んだ2015年以来11年ぶりになる。3年ぶり15回目の出場で、主将は5番の田中楓真が務めている。

◆健大高崎(群馬)― 2年生右腕が117球完投、5回に打者11人の猛攻

大会成績
1回戦(8月7日・第2試合) 健大高崎 7-1 八幡商

5回裏、6点のビックイニング

八幡商は15年ぶりの出場で、地方大会から3投手の継投を貫いてきた公立校。健大高崎は2回裏、狩野蓮義(1年)の死球と岩井由来(2年)の犠打で1死二塁とし、8番でDHに入った豊永飛輝(3年)の中前適時打で先制した。

八幡商が2番手に代えた直後、石田翔大(3年)の四球を足がかりに大岩翔斗(3年)が中堅へ適時二塁打。さらに岩井の左翼線への適時二塁打、豊永の左前2点適時打と長短打が続き、萩原雄大(2年)のセーフティーバント内野安打で好機を切らさず、最後は1番・神崎翔斗(2年)が左翼へ2点適時二塁打を放った。この回だけで打者11人、5安打4四死球で一挙6点。
7-0とした時点で試合は決まった。

チーム13安打のうち、送りバント3本とセーフティーバント2本、盗塁2つを絡めている。派手な長打だけでなく、塁を進める形をいくつも持っているのがこのチームの持ち味だ。

石垣は117球、毎回の11奪三振。ただし1人で投げ切った

先発した背番号1の右腕・石垣聡志(2年)は、9回を117球、4安打1失点(自責点0)で完投した。最速148キロの直球とナックルカーブを操り、毎回の11三振を奪う。そのうち5つがカーブによるものだった。完封を目前にした9回に2失策が絡んで1点を失ったが、走者を背負っても要所で三振を取れる投球だった。
昨夏のエースでプロ野球ロッテに進んだ石垣元気から、同姓の2年生が背番号1を引き継いだ形になる。

健大高崎は群馬大会決勝で前橋商を5-4で下し、学校初の3連覇で3年連続6回目の出場を決めた。2024年の選抜大会では全国制覇を果たしているが、夏は8強が最高。青柳博文監督が率いるチームは、初戦を2年ぶりに突破した。

【夏の甲子園】2回戦・東海大甲府 - 健大高崎 両校の勝ち上がりを振り返る

1週間500球の投球数制限に対しては、両校とも余裕がある。石垣の117球にしても、12日に投げられる球数を制限が縛ることはない。したがって論点は制限との距離ではなく、「初戦の使い方の差がどこに出るか」に絞られる。

東海大甲府は9イニングを2人で分け、どちらも100球に届いていない。
熊谷が試合をつくり、エースの村尾を後ろに置く形はそのまま2回戦でも使える。
対する健大高崎は石垣に9回を任せた。中4日は空いているとはいえ、117球の完投明けであることに変わりはなく、2番手をどこで用意するかは相手より先に判断を迫られる可能性がある。

得点力では健大高崎が上回るが、その7点のうち6点は1イニングに集中したものだ。
一方の東海大甲府は初回3点、5回1点、7回1点と刻んでいる。爆発力の健大高崎か、押し続ける東海大甲府か。この対比はそのまま試合の入り方に表れそうだ。

2回戦の見どころ

マウンドの枚数をどう使うか
東海大甲府は継投を前提に組み立てられる。
熊谷、村尾に加えて2年生右腕の籾山慶人も控えており、村尾を先発に回す選択肢もある。健大高崎は石垣が軸だが、初戦で1人に9回を投げさせた以上、この試合では継投を挟む可能性が高い。先に相手打線を止められるのはどちらの2枚目か、という勝負になる。

今大会から導入されたDH制の使い方
両校とも初戦で指名打者が仕事をした。東海大甲府は伊沢を4番DHに置いて2安打2打点、健大高崎は豊永を8番DHに置いて3打点。打順の位置は正反対だが、どちらも得点にからんでいる。守備の負担を切り離した打者をどこに置くかは、そのままチームの設計思想の違いでもある。

石垣のナックルカーブと、東海大甲府の左打者
石垣が三振の半数近くを縦に割れるカーブで奪ったのに対し、東海大甲府のクリーンアップは田中三士郎、田中楓真と左打者が並ぶ。初戦で12安打を放った打線が、初見の変化球にどう対応するか。第1打席から2巡目にかけての修正力が見どころになる。

この試合の勝者は、8月16日の第12日第1試合(午前8時開始予定)で、12日第3試合の神村学園(鹿児島) - 佐野日大(栃木)の勝者と3回戦を戦う。中3日が空くため、勝てば投手を立て直したうえで次に臨める。

なお「バーチャル高校野球」では、開会式と開幕試合から決勝までの全48試合を無料ライブ配信する。

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