【夏の甲子園】準々決勝までの45試合を数字で振り返る 勝者5.1点、敗者1.5点の大会

第108回全国高等学校野球選手権大会は、全48試合のうち45試合を終えた。
残るは準決勝2試合と決勝の3試合である。ここまでのスコアを並べると、点の入り方に偏りがあることが分かる。
1点差で決まった試合が11、完封が9。総得点299点という数字の内側を、回戦ごとに見ていく。

準々決勝までの45試合で299得点


準々決勝までに行われたのは45試合。1回戦17試合、2回戦16試合、3回戦8試合、準々決勝4試合という内訳である。ここに準決勝2試合と決勝を加えた48試合が、大会の全日程となる。


両チーム合計の得点は299点。1試合あたり6.6点が入った計算になる。片方が3点強ずつ取り合う程度の水準で、極端な打高でも投高でもない。

【夏の甲子園】準々決勝までの45試合を数字で振り返る 勝者5.1点、敗者1.5点の大会

ただし平均は、大差の試合と接戦の試合が打ち消し合った結果でもある。実際には、7点差以上ついた試合が5つある一方、1点差が11試合を占めた。全体の4分の1が1点差で決まっている。

完封は9試合。5試合に1試合の割合で、片方が最後まで得点できずに終わった。

得点が入りやすい大会だったのか、入りにくい大会だったのか。平均値だけでは説明がつかない。

勝者と敗者に分けると、構図がはっきりする。勝ったチームの平均得点は5.1点、敗れたチームは1.5点だった。6.6点という総平均は、この二つを足したものである。

敗れたチームの得点で最も多かったのは1点で、45試合中17試合。無得点の9試合と合わせると、26試合が1点以下に抑えられている。全体の6割近くだ。


つまりこの大会は、点を取り合う試合が多かったのではない。勝つチームが5点前後を取り、負けるチームが1点前後に抑えられる。その形が最も多かった。

1点差11試合、完封9試合の内訳


1点差と完封が、どの段階で起きたかを見ると傾向が分かれる。

【夏の甲子園】準々決勝までの45試合を数字で振り返る 勝者5.1点、敗者1.5点の大会

1点差試合は1回戦で5、2回戦で5と序盤に集中した。ところが3回戦では0になる。8試合すべてが2点差以上で決着した。

完封は逆の動きをしている。
1回戦は17試合で1つだけ。2回戦で4に増え、準々決勝では4試合中3試合が完封で終わった。
勝ち残るほど、点を与えない試合が増えている。つまり序盤は「点を取り合って1点差」、終盤は「点を与えずに完封」という構図になる。同じ僅差でも、質が変わってきたことになる。

1点差の中身を見ると、その違いはさらに分かる。
1回戦の5試合は0-1、5-6、1-2、2-1、1-2。ロースコアもあれば、5点を取り合った試合もあった。


2回戦の5試合は2-1、1-0、0-1、0-1、3-2。最大でも3点しか入っていない。同じ1点差でも、点の入り方が変わっている。

3回戦で1点差が消えたのは、接戦がなくなったからではない。2点差以内の試合は大会全体で16あり、決着の形が1点差から2点差以上へと移ったと見るのが近い。

2回戦だけ平均5.9点と低い


回戦別の1試合平均得点は、1回戦7.1点、2回戦5.9点、3回戦7.0点、準々決勝7.0点だった。

2回戦だけが6点を下回っている。この段階では1回戦を勝ち上がったチームと、2回戦から登場するチームが対戦する。

試合数16のうち完封が4、1点差が5。得点が伸びなかった一方で、僅差の試合が最も多かった段階でもある。

3回戦以降は平均7点前後に戻る。ただし中身は2回戦までとは違い、1点差が消えて完封が増えた。点が入る試合と入らない試合の差が、はっきりしてきたと読める。

3点以下の得点で勝った試合は、大会全体で12あった。勝つために5点必要な試合もあれば、2点で足りる試合もある。この幅の広さが、平均値を分かりにくくしている。


準々決勝4試合が示した両極


8月18日の準々決勝は、この大会の縮図のような1日になった。

4試合の内訳は、7-0、11-3、6-0、1-0。二桁得点の試合と完封が同じ日に並んだ。3試合が完封で、うち1試合は延長10回のサヨナラ決着である。

平均得点は7.0点だが、この数字を実感として受け取れる試合は1つもない。大差か、1点差か。中間がなかった。

4試合のうち3試合で、敗れたチームが無得点に終わっている。残る1試合も3点。準々決勝に残った8校は、いずれも守備で崩れなかったチームだったことになる。

朝8時2分に始まり、最終試合の終了は19時3分。観客数は4試合合計で12万3000人を数えた。同じ球場の同じ日に、まったく質の違う4試合が並んだことになる。

残り3試合をどう見るか


準決勝と決勝の3試合が残っている。ここまでのデータが示すのは、勝ち上がるほど点が入りにくくなっているという事実である。

準々決勝までの完封9試合のうち、4試合は3回戦以降に集中した。試合数で見れば12試合中4試合、3試合に1試合の割合になる。序盤の17試合で1試合だった頻度とは明らかに違う。

一方で、点が入るときは入っている。3回戦以降の平均得点は7点前後を保っており、投手戦一色になったわけではない。

先に1点が入るのか、それとも取り合いになるのか。45試合が積み上げた傾向が、残る3試合にそのまま当てはまるとは限らない。
ただ、数字の上では終盤ほど1点の重みが増していることは確かである。

文:SPORTS BULL(スポーツブル)編集部

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