●1.心を開いて五感のスイッチを入れる
失恋卒業式は、静かな1人の夜に行うのがいい。しかも、部屋のすべての灯りを消した、暗闇の中で密やかに――。
日々、多くの人や情報に囲まれて忙しく生きている私たちは、自分の心や感覚の半分くらいは閉じたまま生きている。さまざまな人や出来事に対応するためには、心を閉じ気味にして、鎧や仮面をまとっているほうがラクだから、無意識にそうしてしまうのだ。
失恋した時はなおのこと、心の鎧は強固になっている。人前ではもちろん、自分の前ですら自分の傷ついた“素顔”と向き合えなくなってしまう。
1人の夜の暗闇は、誰の目もない。自分の目すら気にならないから、鎧や仮面を外して素顔に戻れる。
失恋で頑なになった心をほぐして、五感を開き、感受性を研ぎ澄ましてくれるのだ。
まずは、そこでワインとショコラを味わってみよう。いつもよりも、その繊細な香りや味を敏感に感じ取れるはず。もちろん、紅茶やフルーツなど豊かな香りや味が楽しめて、気分が盛り上がるものなら何でもいい。大切なのは、せっかく開いた心と五感を使ってみること。