運命の人を見つけるコツとは? 脳の戦略に従おう(前編)【黒川伊保子】
■運命の恋ができるのは20代では、どうやって、相手の遺伝子を見分けているかというと、異性の見た目、声、触感(手を握ったら「あり」か「なし」なんて瞬時にわかるという女性も多いですよね)、そして匂い。
特に、体臭に含まれるフェロモンと呼ばれる〝匂い物質〟は、潜在意識で嗅ぐ匂いですが、免疫抗体の方の遺伝子を知らせていると言われていて、最も大切な情報源です。
生殖リスクがまったく違う哺乳類では、圧倒的にメスのほうがこれらの遺伝子情報感知度が高く、異性の取捨餞別が厳しいと言われています。男性は、10人の美女がかわるがわる抱きしめてくれたら、「どうしても嫌」という女性は一人いるかいないかでしょう。けれど女性は、10人のイケメンが登場したら、「イケメンでも触れるのは不快」という男子が過半数を占めるはず。
異性を厳しくより分けるフェロモンセンサーの感度は、25歳女子が最も高いと言われています。おそらく、生殖ホルモンが安定し、細胞の老化がまだ始まっていないこの年齢が、初産に最も適した年齢だからでしょう。
好き嫌いの幅は、脳の中で絶対値の幅で揺れるので、25歳のときはすごく好きな人も、すごく嫌いな人もあるということ。
25歳の女子なんて、100人男子がいたらたったひとりのすごーく好きと、99人の触わられたら気持ち悪い人で構成されているわけです。それはしょうがないこと。
人生最高センサーによって、25歳女子は1万人にひとりとも言うべき遺伝子配合の相手を選び出しているわけですから、20代で恋に落ちると「運命の恋」と感じます。彼のような人は他にはいない、ということを潜在意識で知っているからですね。でも、その感覚は脳の戦略に従って、だんだん緩慢になっていきます。
というのも、30歳過ぎても生殖に成功しない場合、同じように厳しく取捨選択していると、この個体が生きる環境において、一生涯、相手が見つからない可能性もあるということだから。
そこで、脳は戦略を変えます。「遺伝子相性を多少悪くしても、とにかく子孫を残さなきゃ」というわけで、センサーを徐々に鈍くしていくのです。
このため、1万人に1人が、千人に1人になったりするわけですから、当然、「この人しかいない」という確信も薄くなっていきます。
つまりね、子どもを産まないまま30代後半に入ってしまうと、20代のような燃えるような「運命の恋」をしたくても、脳がその体制にないってこと。相手がいないんじゃなく、自分の脳が戦略を変えたんです。
大人の女なら、そのことはクールに認めたほうがいい。燃えるような恋じゃなくても、「一緒にいて、しみじみすることができる」くらいの好意の相手で手を打たないと、38歳から健康な自然初産の期限にあたる43歳くらいまでは、あっという間に過ぎ去ってしまいます。ただし、43歳以降は、脳は生殖ストレスを離れて、プラトニックラブもできるように。
女性は、脳の生殖戦略を知っておくべきです。20代で「運命の恋」と感じる相手に出会ったなら、おそらくそれが、人生最高の恋愛ボルテージ。
結婚できる相手なら、細かい条件や、貯金の額なんか気にせずに、結婚してしまった方がいい。
30代後半に入ったら、好感を持てる相手なら、友情結婚してみればいい。40代に入って恋力が戻ってきたら、あらためて夫にしみじみ惚れるかも。もしそうじゃなくても、バツイチ子持ちの女性はけっこうモテるから、大丈夫。(微笑) 女は、賢く生きなきゃね。
黒川先生の言葉は、時に耳に痛いことも! でも、脳のメカニズムは知って損はしないはず。後半ではさらに実践的な運命の人を見つけるコツを教えてもらいます。
特集:黒川伊保子が教える、幸せを呼ぶ脳のつかい方
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