久々の再会【自由が丘恋物語 〜winter version〜 第11話】
「冬馬キャプテン! 元気そうだね! 今日は慎吾君連れて来たのでよろしくお願いします」
ペコリと頭を下げる。冬馬の胸の高鳴りは激しくなる。メイクのせいか? 目元がやけにきれいだ。くっきり描かれたアイライン、意思の強さを感じる。まばたきするたびにパチンと音がするような愛らしいまつげ。冬馬はしばらく見つめてしまった。数秒おくれて慎吾が
「初めまして。田所慎吾です。
よろしくお願いします」
と小声で言う。冬馬は我に返って
「うわ、イケメンだな。こりゃ、うちのチームにファンがつくぜ。よろしくっ」
男らしいゴツっとした手のひらをを慎吾に向けて差し出した。慎吾はとまどいながら、冬馬と握手をした。チームのメンバーが続々集まってくる。
「ウィーっす。おっ? 女子マネージャーついに来たるってか?」
「やった。
ついにチームのプリンセスが現れた」
みんなが歓迎してくれた。
久しぶりに桃香の姿を見た冬馬は動揺してぼーっとしていた。チームの連中とはしゃぐ桃香の笑顔はあの日のままだが、社会人になり、周囲に気をつかう大人っぽい仕草にハっとさせられた。外は冬が近づいていて冷えているのに、桃香の周りだけポっと暖炉であっためられているような不思議な世界だ。