2015年2月13日 10:00|ウーマンエキサイト
魔術にかかったボール【自由が丘恋物語 〜winter version〜 第14話】
その時、誰かがキャッチミスしたボールが、慎吾めがけてすごい勢いで飛んで来た。咄嗟に身体を右にひねり、腰でいとも簡単に止めた。ボールが慎吾に猛威を止められ、ストンと足下に落ちてゆっくり回転している。
ボールが魔術にかかったようなシーンだった。慎吾は意のままにボールを従わせることができる。慎吾は、その力がいまだに身体のどこかに流れているのを感じ取った。冬馬は足下に転がり、ゆっくり回っているボールをじっと見つめた。一瞬の出来事を見逃さなかった。
「やれよ。慎吾!」
慎吾は冬馬の目をまっすぐ見て
「走る練習しますから、よろしくお願いします」と、いつもよりちょっとだけ力強い声で言った。
(続く)
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