直球の愛情【自由が丘恋物語 〜winter version〜 第18話】
「桃香には感謝してるよ、まじで。あいつ、昔みたいにしゃべるようになったし。冗談も言うようになったもん。それにね、ちゃんと就職するって、スポーツリハビリの専門学校探し始めたよ」
「そうなんだ! よかったね。フットサルの付き添い、もう行かなくていいかな」
「え、もう少しついててやってよ。慎吾きっと桃香のこと気になってるのよ。姉としてはお付き合いして欲しい気持ちだけどね。彼氏いないじゃない、桃香。」
桃香は口ごもる。
「…いないけどさ」
「気になる人がいる?」
一瞬、天井を見つめて考えた。慎吾のことも充分気になる。でも、先週の冬馬の告白が頭の中でローテーションしているのだ「昔からお前のこと好きだからさ」。青白い光とともに。愛の言葉を直球でぶつけられたことははじめてだった。歌の中ではロマンチックな歌詞がいくらでも出てくるが、現実にその言葉を投げかけられると、女性はこんなに嬉しいものなのかということにも気づいた。
(続く)
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