「男性に誠実さや一途さばかりを求めてしまう」という投稿が、掲示板サイト「発言小町」に寄せられました。
何人かとお付き合いしてきたものの、すべて「浮気に対して異常に怯えて疲れきってしまう」「相手を信用出来ない」という理由で1年以内に別れている……というトピ主さん。愛することや信頼関係がどういうものかピンとこないため、アドバイスが欲しいと綴っています。
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原因を探っても、解決策が生まれないことも
交際相手ができると、起こるかわからない悪い未来に思いを巡らせ、精神的に疲れてしまう、という状況なのですね。しかしトピ主さんは、もともと悩みがちな性格というわけでもない。のちの投稿によれば、「細かい事は気にしないポジティブさ」や「生きてりゃどうにかなる~くらいの呑気さ」がある性格で、「仕事趣味友人、恋愛以外はかなり充実している」。にも関わらず、「なぜ恋愛になった途端ここまで恐怖心に狂うのか、自分でもわからない」と綴られています。
「周りの環境で遊び人が多い事や、過去に父の浮気があった事が原因の一つにあるかも」とのことですが、原因を探り当てても解決策とならないケースもしばしばあります。
それよりも、今「過剰に誠実さや一途さを求めてしまう自分」から変わりたいと思っている……という事実だけを強く意識してみることを勧めます。
トピ主さんは、「裏切られてもいないのに別れたり、過剰に誠実さや一途さを求めることの無意味さ」に気付き始めているのですよね。それだけでも、大きな一歩です。「男性を心から信用したい、愛してみたい」と思い始めた”新しい自分”を、まずは歓迎してあげましょう。
他者の心はコントロールできない、それなら?
その上で、悩みを具体的にひも解いてみましょう。交際相手に一途さや誠実さを求めてしまうのは、要するに「相手の心を、こちらの望むようにコントロールしたい」ということになるかと思います。そのような願望を持つと、なぜ恋愛がダメになりやすいのか。
喩えながら説明していきますね。
「暗闇を走るジェットコースター」の乗り場にいる自分の姿をイメージしてみてください。どんなコースが待っているのかは見えません。激しい急勾配もあるかもしれない。でも、そのコースを自分でコントロールすることはできない。
このようなときでも、コースターの舵を取ろうと抗うのか。それとも肩の力を抜き、流れに身を任せてしまうのか。どちらがいいと思いますか?
「人を信じ、愛すること」もこれと同じではないかと思うのです。他者の心はコントロールできないにも関わらず、その事実に抗ってばかりいれば、トピ主さんの恋愛のように、ただただ無用に疲れてしまうだけ。
であれば、ハッピーなゴールへたどり着くと信じて身を任せてみたほうが、自分にとってラクだし、しかも幸せなのではないか――。
そのように大らかに構えるためには、「私はきっと大丈夫」という自分への信頼感や、人生そのものに対する「安心感」が必要になってきます。
「私は大丈夫」という“安全ベルト”を、心のなかに作っていこう
トピ主さんはきっと“先の見えないジェットコースター”に乗るのが怖かったのでしょう。だから今まで、「本当に誰かを好きになること」から本能的に逃げてきた。心の距離が縮まれば、その部分に向き合わなければならなくなる。だから交際期間が長くなるほど、不安が増してしまう。その不安から逃げたいあまり、何かと理由をつけては相手を否定して、別れを繰り返していたのではないでしょうか。
これから少し時間をかけて、心のなかに『安全ベルト』を作っていきましょう。
それはつまり、「何が起きても、私は大丈夫だと信じる力」であり、「少しくらい傷ついても、立ち直れる自分を信じる力」のことです。誰かを愛するという道程で、多少ジェットコースターが揺れても、振り落とされないように。心を鍛え、確かな安全ベルトができてくれば、今感じているような「怖さ」はきっと少なくなるはずです。
心を鍛える方法は様々にありますが、一番簡単な方法を紹介しますね。毎日鏡に向かって、「私は強い。私は素敵だ。私は絶対に大丈夫!」と唱えてみてください。そして一日の終わりに、「今日良かったこと」を一つ以上書き出してみてください。
それだけでも、小さな変化が起きてくると思います。
そうしていつか、「何が起こるかわからないけど、怖がらず愛してみよう」と思えるように。「その先に望む幸せがあるならば、信じて身を委ねてみよう」と思える日が来るように。堅実に心を鍛えていき、自分や人生への安心感を獲得していきましょう。応援しています。
(外山ゆひら)