「私は不満を溜め込む性格です」と題する投稿が、掲示板サイト「発言小町」に寄せられました。「普段から彼氏への不満を溜め込んでしまう」というトピ主さん。溜め込んで消化するならいいものの、「結局は爆発して彼氏にぶつけてしまい喧嘩になる」ことが多く、彼に「察して、は無理」だとも言われてしまったとか。恋人とのコミュニケーションの取り方についてのアドバイスを求めています。
©shchus - stock.adobe.com
「思っていること」をその場で伝えられない理由
溜め込んで爆発してしまう頻度は減らせても治せない、というトピ主さん。その場で思ったことを言えないのは、「時間が経てば消化できるかも」「伝えずにいれば丸く収まるのでは」と思ってしまうのが理由で、「そもそも、なんと言えばいいのかわからない」場合もあるそうです。
「どうしたら彼に思っている事を、その都度伝えて、険悪にならずに済むでしょうか?」とのことですが、
険悪になることを怖がらない、というのはひとつの解決策です。恋人とだって、たまには険悪になる日があってもいいし、万が一険悪になったら仲直りをすればいい。
思っていることを言ったところで大して険悪にならないかもしれない。そんな風に思えれば、その場で気持ちを伝えることは、今よりも少し簡単に感じられるのではないでしょうか。
そもそも、「険悪になるのが怖い」と感じるのは何故なのか。大きく分けて、以下のいずれかの理由が推測できます。
(A)好きな相手に嫌われたくない、嫌われたらどうしよう、といった不安や恐れが強い
(B)他人との“摩擦”にストレスが強い。ネガティブな内容でコミュニケーションを取るのが、ひどく億劫(面倒)に感じる
一概には言えませんが、トピ主さんが恋人や親、友達など近しい相手にだけ“溜め込んでしまいがち”ならば(A)、誰に対しても同様の傾向があるならば(B)の可能性が高いでしょう。
(A)の場合、嫌われたくない不安が強いあまりに、結果的に嫌われるような行動にしてしまう……といった悪循環も起こしがちです。トピ主さんの彼も、「後から爆発される方が嫌だ」と主張していますよね。
一方、(B)はNOやマイナスの意思表示が苦手な人に多い理由です。些細なことで向き合うのがしんどいから、その場では「言わないでおく」を選択するものの、次第に不満が蓄積し、
「コミュニケーションの面倒さ」よりも「相手への不満」が上回ったときに爆発してしまう、というわけです。
まずは、“後悔しすぎない自分”になることを目指そう
(A)と(B)、どちらにしても、「好きな相手にちょっとしたNOやマイナスを伝えるのは、そこまで“大したこと”ではない」と理解することが助けになるでしょう。
まずは
“後悔しない訓練”をしてみるのもおすすめです。険悪さを恐れる人は、人と関わるたびに「もっとああすればよかった」「ああしなきゃよかった」と悶々と考え、後悔の念を抱きやすい傾向があります。そのため、無意識に「本音を出して誰かに嫌われたり、がっかりされたりすること」を避けるような振る舞いをしがちになります。
しかしどんなにうまく立ち振る舞っても、常に100%、他人に喜ばれる言動はできません。人間関係には諦めも必要。
世の中には合う人も合わない人もいますし、価値観もその日の気分も皆違うので、いつどこでも誰とでも、完璧なコミュニケーションをするのは不可能です。
たまに嫌な部分を見たり見られたりしても仲良くし続けられる相手としか、友情も恋愛も続かない。そう理解できると、接し方に変化が起きてくると思います。
「自分で自分をいじめない」と固く決意しておいて、後悔の念が湧いてきたら、「もう自分をいじめないと決めたよね?」「あのときの私は、ああしたかったんだからいいんだよ」と何度も心の中でつぶやいてみる。“過去の自分”を責めようとする“頭の中の自分”にストップをかけていきましょう。
必要以上に後悔しない癖をつけると、爽やかな関係が作れる
むやみに後悔しない癖が身に付くと、人間関係は非常に爽やかなものになります。気遣いや配慮はするけれど、私は私、合わない相手とまで無理しなくていい、という余裕を感じさせるからですね。
これは恋愛でも同じ。
相手に嫌われまいと自分を押し殺したり、些細なことでくよくよしすぎたり、それを過度に謝ったりするのは、ともすれば相手に「捨てないで」としがみついているような印象を与えてしまうことも。これが続くと、次第に重苦しい、息苦しい雰囲気が漂い始め、関係が悪化しやすいです。
「彼が言ってもいいと言うんだから、些細なことでも話してみよう」「ちっちゃい不満を言える許可をもらった!」などと少し楽観的に思えるといいですね。あるいは、「大きな爆発が起こる前に、ボヤのうちから火消しを頼んでみるかな!」なんてユニークに捉えてみるのもひとつ。適切な言葉が出てこないときは、「うまく言えないんだけど、今ちょっと嫌な気持ちになったんだ」と感情が動いた事実だけでも伝えてみるのがおすすめです。応援しています。
(外山ゆひら)