「ネットで出会い初めて会うんですが、迷っています」と題する女性からの投稿が、掲示板サイト「発言小町」に寄せられました。
30歳代のトピ主さんには、1か月ほど前にネットで知り合い、毎日2時間以上も電話で話すほど打ち解けた関係になった男性がいます。その彼は隣県に住んでおり、泊まりで遊びに来たい……という話になったものの、トピ主さんは少し抵抗を感じ、友人にも「恐いからやめなと言われて迷ってしまっている」とのこと。この彼と会うべきか、やめるべきかと読者に意見を求めています。
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どんな相手も「完全に知る」ことはできないけれど
今回のお悩みを考えるにあたって、まず前提として心得ておきたいのは、
どんな出会い方をしても、極論、相手の本性をすべて知り尽くすことはできない、ということ。現実だろうとネットだろうと「知り合う前にどんな人かを知ること」には限界がありますし、よく知り合ってから結婚した相手が結婚後に豹変した……なんて例もないわけではありません。
しかしながら、私たちは「この相手といるのは難しい」「この状況は自分にとって良くない」と気づいたときに、「離れる」という決断を下すことができます。
自分や自分の幸せを守るためには、目を曇らせずに判断することが肝心です。
上記を踏まえた上で、本題に戻りますね。ネットでの出会いは、色々な制約なく交流ができて自由度が高い分、現実よりも“玉石混交”であることは確かです。無作為に出会えてしまうため、普段の自分の世界にはいないような、恐ろしい考えを持った人や不誠実な相手とつながってしまう可能性もゼロではありません。
また、対面で接するのであれば、本能や直感で感じ取れるものもありますが、ネットで交流する場合は情報が限られてしまう、というデメリットもあります。ただ一方で、
対面で会うときに比べ、「その場のムードや相手の外見などに惑わされにくい」というメリットもあります。遠隔のやりとりで「相手の言動がおかしい」「自分と合わない」と感じた場合に、冷静に判断できやすい側面もあるでしょう。
出会いに付随する「リスク」を減らすには
1%でもリスクがある以上、トピ主さんを大切に思う友人や家族が「(ネットで知り合った相手と)会うのをやめたほうがいい」というのは当然だと思います。
しかしトピ主さんは、素敵な出会いを求めて、彼とつながったんですよね。
ネットを使って恋愛相手を探そうと思うなら、このリスクを上手に扱いながら会ってみないことには、関係は始まりません。実際にネットから真剣交際や結婚に至っているカップルもたくさんいますが、彼らもどこかのタイミングで、そのリスクを取っているはずです。
リスクを軽減するには、“会い方”を工夫するのが最善です。初期の段階では、なるべく明るい時間帯や場所で、周りにも人がいる環境で、できれば自分の馴染みの地域や店などで会う……といった方法は比較的、安全性が高いと思います。
「二人きりの状況にならないこと」を鉄則とし、冷静な判断力もなくさないよう努めましょう。少しでも違和感を覚えたら、絶対にそれを無視しないこと。会う前から「素敵な相手を見つけた!」などと一気に盛り上がりすぎないことも重要です。これらを心がけていれば、嫌な目や危険な目に遭うリスクは随分、減らせるかと思います。
「信用できる相手か」を見極める際のポイント
一度は「恐いから泊まりは無理」と意思表示したトピ主さんですが、結局は「寂しい」という彼に押され、泊まることにしてしまった……とのこと。「私のこと好きだけど手は出さないと約束してくれてます」とのことですが、それでも不安が残るから投稿されたのですよね? であればやはり今回の件は、今からでも泊まりを断るのが最善だと思います。
「やっぱり怖いから今回は泊まらない。翌日の日中に会おう」と伝えて露骨に不機嫌になったり、トピ主さんを本気で責めたりするようならば、彼は自分の要求を満たしたいだけの身勝手な男性である可能性も感じます。
なぜなら「これからきちんと向き合っていこう」と思う相手に対して、人は普通、慎重になるからです。ワガママや失礼なことをして嫌われたくない、縁を切られたくない……と思うからですね。相手が望んだことに「NO」と言っても、無理強いをしてこないし、こちらへの関心をなくさない。そういった相手は、きちんとした関係を築くつもりがある人物である可能性が高くなるでしょう。
逆に言えば、
知り合って間もない状況で、自分の要求ばかりを通そうとするのであれば、「関係を大事に育もう」という気がない人物かもしれない、ということです。今回の彼に関しても「こちらの意向を伝えても、何度も自分の要求を押し付けてきている」という点が気になります。
もし、有給まで取って2時間もかけて会いに来てくれるのに……という負い目を感じて断りにくいのであれば、
「これから良い関係を築くために、今回は泊まらないほうがいい」と考えてみてはいかがでしょうか。真剣交際をするためには、“人として”関係を育む時間も必要です。
「NOを言っただけでダメになるならば、それは私に必要のない相手だ」というクールな覚悟もしっかり持っておけば、彼にしろ、別の男性にしろ、出会い方を問わず、これから素敵な相手に出会えるチャンスはたくさんあるかと思います。応援しています。
(外山ゆひら)