しかし、電気が普及していない時代、夜はろうそくの灯りを頼りに過ごしていました。爪を切る際には、手元もよく見えないような状況で、今のような爪切り道具ではなく、はさみや小刀が用いられていたようです。
手元が暗いなか鋭利な刃物で爪を切ると、うっかり怪我をしてしまう可能性がありました。
そのため、夜に爪を切るのではなく、明るい時間帯に切った方が安全だという当時の知恵から、夜に爪を切ることは控えるようになったとされています。
◇(3)爪が燃える匂いが火葬のイメージにつながるから
電気がない時代、夜はかすかな灯りを頼りに、囲炉裏や火鉢の近くで爪を切る人も多かったようです。
爪を切っているうちに、切った爪が囲炉裏や火鉢の中に入り、その燃える匂いがまるで火葬場のようであることから、縁起が悪いイメージが生まれたという説があります。
人の死が今よりも身近に感じる機会が多かったからこそ、夜に爪を切ることは不幸なことが起きるとの言い伝えが広がったとされています。■昔の生活環境から生まれた迷信の1つ
いかがでしたか?夜に爪を切ってはいけないと言われる背景には、昔の生活環境が影響していたことが分かりました。