『・・・どういう経緯かわかりませんが、私は職場(調理場)で使う包丁を手に持ったまま、警官に手錠をかけられてしまいました。そばには同僚のような知らない人が血だらけになって倒れていて、私が刺し殺してしまったという自覚だけありました。私の頭の中で、包丁を持った手、刺した瞬間のイメージが再現映像のようにあらわれ、犯罪者になったことより、逮捕されたショックとこれからの生活に不安を感じました。ものすごくドキドキしながら目覚めました。』
これは20代女性の夢の実例です。逮捕されるイメージは、基本的に社会生活の縛りや制約、社会常識や世間体などを象徴します。彼女は長年夢を持ちながらずっと同じ職場でアルバイトを続けていますが、この夢を見た時期、結婚や将来の安定のことを考えて思い悩んでいたそうです。年齢的な悩み、叶えたい夢と現実生活との葛藤が夢にあらわれたのかもしれません。
この実例の場合は仕事で刃物を使っていることも影響しますが、刃物の夢の多くは心身の葛藤をあらわします。
では、それにともなう傷の夢はどうでしょうか。傷にまつわる夢のいくつかをご紹介します。
■誰かを傷つける夢
特に知人や友人、恋人や家族を傷つける・痛めつける夢は、その人物とのコミュニケーションから生じる心の葛藤、対人ストレスを反映しています。