告白は「思わず口にしてしまう」ことが大切
「告白って、どうやってすればいいんですか?」とか、「告白する勇気を持つには、どうすればいいんですか?」といったような相談があり、求めに応じて答えるたびに、座りの悪い気持ちになります。
というのも、恋愛上手な人は、こんなこと、考えていないから。
■■ごく自然に、彼とつきあっていた
恋愛上手な女子、というか、気がつけばいつも彼氏がいる女子のなかには、「ごく自然に、彼とつきあっていた」と言う人がいます。
これはこれでウソです。「ごく自然」を分析的に見ていけば、かならずどこかのタイミングで「つきあってよ」というような言葉があり、それに対して合意のサインがなされたから、つきあっているわけで。
ただ、「ごく自然に」と言うからには、本人たちには「意を決して告白した」という記憶がない、ということです。
健忘症なのではなくて、本当に事実関係として「意を決して告白の言葉を口にしたことがない」ということ。では、どういう会話があったのか?
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たとえば彼に「わたしとつきあったら楽しいかもよ」と言った、つまり彼に対して、交際のメリットをにおわせた。
あるいはことあるごとに彼とふたりきりになれる状況を作って、なんとなく彼のほうから交際をにおわせてきて、結果つきあった、というようなことです。
■■一度、自分の壺をたたき割ってみるといいかもしれない
なんとなく「におわせた」直後に、「思わず告白の言葉めいたことを言ってしまった」という淡い後悔のようなものがあるケースもあります。
あるいはにおわせる前に、「かしこまった告白の言葉を口にするのは恥ずかしい」と思っていても、その思いを上回るパッションがどこからともなく湧いてきて、気づけば、思わず告白の言葉に似た言葉を口走ってしまっていた、ということ。
こうやって文章にすると、とても分析的ですが、ポイントはパッション、情熱です。
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好きという気持ちが、自分でも抑えることができないくらいあふれ出てきて、思わずそれが言語化された、と、また分析的に書いてしまいましたが、まあ文章にすればこういうことです。つまり「思わず口にしてしまった言葉」これが告白の言葉です。**
今、好きな人にうまく告白できない人は、あなたが勇気のないいくじなしなのではなく、きっと機が熟していないのだろうと思います。
つまりあなたの情熱という名の壺に、情熱が満ちていないということ。
溢れるというのは、満ちるから溢れるわけで・・・・・・と、こう書くとまた、理屈っぽくなるので書きませんが、まあそういうことです(察してください。ついてこれていますか?)。
言葉悪く言えば、恋愛上手な女子って、みずからの壺に情熱を満たすのがうまいのかもしれません。あるいは壺じたいの容量が少ない、とか。反対にいつまでも告白できない人は、大きすぎる壺を持っているから、いつまでも告白できないのかもしれません。
そういう人は一度、自分の壺をたたき割ってみるといいかもしれない。つまりアホになったふりをして、「好き」って、彼に告ってしまえばいい。
今夜も、どこかの歓楽街のどこかの居酒屋で、酔っぱらってアホなふりに徹して、みずからの壺をたたき割る女子がいるはずです。
壺が割れる瞬間を見るのは、心をハダカにする瞬間を見るということ。
酔っ払いゆえ、彼女の行動は美しく見えないときもありますが、そのこころもちは、とても美しくまぶしく見えるのでした。(ひとみしょう/文筆家)
(ハウコレ編集部)