「強い女子になりたい...」でもホントは弱い女子が強いのかも
失恋したら「もっと強い女になりたいです」と言う女子はいても、「もっと弱くなりたいです」と言っている女子には、お目にかかったことがありません。
大は小を兼ねる的に、強さがあればなんでもできる、元気ですかぁ!みたいな発想の人って、それはそれで元気そうに見えていいことかもしれないけれど、本当の強さって、強いとか弱いとか、明るいとか暗いとか、生まれつきポジティブとかネガティブとかのことじゃなくて、受け止めることだったりするんじゃないのかなあと思います。
■■強い自分を生み出してくれる唯一無二の「いい友達」とは?
いつも元気に世界を飛び回っている人がいて、その人は指揮者なんだけど、彼が指揮をする元気な音楽は、どこまで元気なんですか的に超元気だし、悲しい曲は、この曲が終わると同時に世界も終わってしまうんですか的に悲しい。
その人があるインタビューの中で、「ぼくは『ひとりで落ち込むときってあるんですか?』と、よく質問されるけど、もちろん落ち込むときもあります。ネガティブな自分がいないと、ポジティブな自分なんて生まれてこないですから」というようなことを言っていました。
つまり、ネガティブな自分とか弱い自分というのは、ポジティブな自分・強い自分を生み出してくれる唯一無二の「いい友達」だということです。で、そこには、弱い自分を「こんな自分じゃダメだ」と排除するのではなくて、弱い自分も自分であると認めることが「ものすごく大切なこと」なんじゃないのかなあという人生哲学のようなメッセージがあるわけです。口にはしないまでも「世の中の人って、なぜそこまでネガティブな自分とか弱い自分をイヤがるのかなあ」という素朴な疑問もあるわけです。
■■生まれ変わりたいなんて思わなくても大丈夫です
女子がいう強い女子って、たとえばバリキャリで経済的にも精神的にも自立していて(自立してそう見えて)、失恋しても3日もあれば立ち直れるような女子のことかもしれないけれど、ホントの強さって、自分の意思とは関係なく湧き上がってくる心の変化をそのまま受け止めることができることなんですよね。
失恋なら、わけもなくこんこんと湧き上がってくる悲しみや苦しみを見ないふりするんじゃなくて、ちゃんとそういう気持ちもあるんだって受け止めてあげられること。それがホントに強い人で、それはきっと明日からでもあなたにできることだったりするから、強い自分に生まれ変わりたいなんて思わなくても大丈夫です。そこにいる自分を「そういうものだ」と認めてあげさえすれば、あなたも今から強い女性。
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イヤな自分とか弱い自分など、自分の心の暗がりを見つめるのが苦手であれば、イヤな他人を見るのでもいいんですが、ようするに自分がどうしても認め許すことができないものを心に抱えている人は、『ニューシネマパラダイス』という映画を見てみるといいです。
愛の映画なんですが、愛といっても愛にはいろんな種類があるので、もっとピンポイントでいうなら、愛がもつ許しの感情を描いている作品です。つまり、弱い自分を受け入れるってどういうこと?という疑問に答えてくれている映画です。よかったら見てみて。
(ひとみしょう/文筆家)
【今夜はちょっと、恋の話をしよう】(ハウコレ編集部)
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