「彼を支えよう」として破滅した女の話【トイアンナのしくじり恋愛】
こんにちは、トイアンナです。私は大学時代に院生と付き合っており、彼の学費と生活費を負担していました。さらっと言いましたが、彼へ貢いだ総額200万。学生にしてはなかなかのもんです。その貢ぎグセから、友人にもよく「ホスト行けばいいのに」と言われますが、1度でも入店したら骨までしゃぶられる未来しか見えないため絶対に行けません。
私は彼を生涯支えていこうと考えていました。そして、それは大きな過ちだったのです。
■成功してもしなくても、そこには泥沼がある
大学院に進学する目的は主に2つあります。
ひとつはきちんと学問を修めてから就職するため。もうひとつは学者になるためです。学者として教授職につけば、年収1,000万円も夢ではありません。しかし大学のポストは空きが少なく、終身雇用をゲットできるのはほんの一握り。
・・・・・・ということは知っていました。けれど彼はあまりに賢かったので、きっと夢もかなうと信じていました。その分野で最高峰の院へ進学していましたし、日々勉強を欠かさない人でした。だからこそ生活費くらい出したいと思ったのです。
結局、稼ぐためにバイトへ明け暮れた私を、彼は浮気という形で裏切ったのですが、それはまた別の話。浮気は恨みましたが、彼を通じて学問へ貢献できたならそれもいいか、くらい気持ちの整理がついていました。
事態が変わったのは数日前。その元カレをSNSで偶然発見したのです。なんと彼はまだ大学院生でした。彼が修士へ入学してから約15年の時を経たというのに!私は、本当に悪い人間だと思います。けれどほっとしてしまった。浮気者の彼を15年支えなくて済んだから。
ババを引いたのは、私ではなかった。
■支えが必要な人は、10年以上支えねばならない
そもそも、経済的な支えが必要な彼ってどういうタイプなんでしょうか。売れないお笑い芸人、バンドマン、精神疾患で働けない、アルコール依存。時には本人の責任が全くないのに、不幸な目に遭う彼らに同情し、その感情もいつしか愛に変わるでしょう。
助けたい、支えたいという思いは「純粋な愛情」にほかなりませんし、友人もあなたを止めにくいものです。だって闘病する彼を支える物語なんて、100万回は映画化できそうな社会正義を止められますか?
でも彼らは簡単に成功しません。立ち直りません。貧乏な人は貧乏なままだし、病気はすぐに治りません。
あなたが若く健やかなときはいいでしょう。けれど病気で唸っているとき、仕事に追い詰められたときも彼はあなたを助けられないのです。
■支える、という視点から「支えあう」へ
さらに、彼があなたを愛し続けるかも分かりません。私の元カレのように浮気をするかもしれない。夢がかなわないストレスをあなたへぶつけてくるかもしれない。そのときに慈愛を注げるのは神や仏だけです。女は神にはなれない。
だから、支えるという考え方は捨てるべきだったんです。
別に院生の元カレと付き合ってもいいけれど、相手から正当な対価を得ればよかった。家事を全部やってもらうだとか、私の転勤には無条件でついてきてもらうとか。
彼を支える一方的な関係は、私たちを疲れさせてしまいます。そして、自分を愛する力を奪っていく。だから彼を愛すればこそ、最初から支えあうしくみを提案すべきなのでしょう。(トイアンナ/ライター)
(ハウコレ編集部)