婚前契約は必要? 弁護士が教える“結婚前にしておくべきこと”<財産編>
婚前契約書は、2人だけで『覚え書き』として作ってもよいですが、後日、効力に争いが生じたり、不明確な点が出てきたりすることもあるので、専門家に依頼して、『公正証書』という公式な書類で契約書を作成することもできます。証明力の高さが違いますので、検討してみてもよいかもしれませんね。
●「共有財産」と「特有財産」をハッキリさせておく
――でも、相手が乗り気じゃない場合はどうすればいいでしょう。
「離婚するときに、とくに熾烈な争いになるのが財産分与です。法律上、結婚後に取得した財産は、『共有財産』と推定されますので、離婚のときには、改めて夫婦で持っている財産をすべて整理し、共有財産の範囲を明らかにする必要があります。
一方、結婚前に貯めていた預貯金など、結婚前から持っている財産や、相続・贈与で取得した財産など、結婚後に夫婦の協力に関係なく取得した財産は、『特有財産』と呼ばれています。特有財産は、原則として財産分与の対象外とされていますので、それぞれの名義人のものになります。
特有財産かどうかは、それを主張する側が証明しなければいけないので、立証できないときは、共有財産と扱われてしまう危険性があります。