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結婚直後の不倫なのになんで…?婚姻歴の長さは慰謝料にどんな影響が?

結婚直後の不倫なのになんで…?婚姻歴の長さは慰謝料にどんな影響が?

*画像はイメージです:http://www.shutterstock.com/


不倫トラブルの際に争点となることが多いのが、“慰謝料について”です。慰謝料の額を決める際には様々な要素を考慮して決定するのですが、どのような要素があると不貞行為による慰謝料が高くなったり、低くなったりするのでしょうか。

今回は“婚姻期間の長短”は慰謝料にどのような影響を与えるのか説明していきたいと思います。

 

■婚姻期間の長さによって慰謝料は増減するの?


婚姻期間の長さは慰謝料の算定・考慮要素になるのでしょうか。

一般的に、婚姻期間が短いと慰謝料の減額要素になり、婚姻期間が長いと慰謝料の増額要素になると言われています。

すなわち、結婚後すぐに不倫(不貞)されるケースよりも、長年連れ添った妻・夫に裏切られるケースの方が、慰謝料は大きくなるということです。この点、結婚してすぐ、というのは愛情も一番大きいでしょうし、その幸せな時期に裏切られるというのは、それはそれで相当な精神的ショックを受けるものであることは間違いありません。

ですが、不倫(不貞)の場合の保護法益は「婚姻共同生活の維持という権利又は法的保護に値する権利」であると考えられているようですので、それを前提とすると、婚姻期間が長い場合にはその長年平穏に過ごしてきた家庭を壊されるわけで、権利侵害の度合いが大きい(精神的苦痛が大きい=慰謝料の増額要素)、という理解になるのだと思われます。


 

■婚姻期間が短い・長いって具体的にどれくらいの期間?


そして、具体的には、婚姻期間が3年以下の場合には「短い」と判断され、慰謝料の減額要素とされることが多いようです(東京地判平成20年10月3日「本件不貞行為が開始された当時、原告とAの婚姻関係が約2年半程度にすぎなかった」、東京地方裁判所平成21年3月27日(3年)、東京地判平成23年2月24日(1年9カ月))。

他方で、婚姻期間が15年を超える様な場合には、「長い」と判断され、慰謝料の増額要素とされることが多いようです(東京地判平成16年2月19日「Aとの約19年に及ぶ婚姻関係の破綻を余儀なくされた原告の精神的苦痛は想像に難くない」、東京地判平成24年3月29日(15年)、東京地判平成19年10月17日(20年))。 

以上、いくつかのケースをご紹介しましたが、婚姻期間の長短という点については、婚姻期間が長い場合の方がその権利侵害の度合いが大きいとして、慰謝料の増額要素となる点にも注目です。また、婚姻期間が短いほど愛情も大きいために、慰謝料が高くなると考えている方もいらっしゃいますが、こちらは誤解されがちですので、注意が必要です。

他にも慰謝料の算定の基礎とすべき項目が多々ありますので、気になることがございましたら、専門の弁護士に相談されることをおすすめ致します。

 

*著者:弁護士 伊倉吉宣(伊倉綜合法律事務所。離婚・男女問題をはじめ、労働トラブルや交通事故問題など幅広く取り扱う。運営メディアに、「弁護士監修による不倫・浮気の専門サイト」、「未払い残業代無料請求ガイド」がある。


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